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ずっと言えない言葉があった。それだけは、いつだってひとつも声にならなかった、音にならなかった。

その言葉はたぶん、遺される側のエゴだったからだ。

その言葉に沿う結果にはならないことを、なれないことを、おそらく本人がいちばん良く分かっていたと思う。それなのに、こちら側の希望を、身勝手にぶつけていいのだろうか。そう考えると、声に、音にできるわけがなかった。

だって、わたしもそのこと、なんとなく感じていたから。

本人が感じていないわけがないと思ったんだ。

普段ほとんど化粧してなかったから、今日は別人みたいだなって思っちゃった。お人形さんみたいだった。

やわらかい色のお花がよく似合ってた。桜の刺繍も素敵だった。

これからは、過去形で語らなくちゃいけないんだって、それだけがとても寂しい。


でもね、寂しいけど、悲しくはない、気がする。

友達になろうって約束は、何十年か取っておいてください。いつか果たしに参ります。

それじゃあまたね。

ひとまず、ばいばい。

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