魔法陣のなかにいた

【魔法陣】〔名〕〔造〕実在する空間に必要となる要素を配置することで、魔法を使役可能にする文様。または、それが描かれた空間のこと。

2021年3月13日、大阪、umeda TRAD。

あの夜、たしかにあの場所で、魔法陣は完成した。

a flood of circle 2020 TOUR 2021

ということで行ってきました!!はじめてのフラッドのライブ!!

友人に誘われて光の速さで「行く行く〜!!」と返事をしたのはいいものの、わたしはフラッドの曲をよく聴くわけではないどころか全然曲を知らなくて、かといって「ライブに行くからには予習を!」ともならず(別の沼に叩き落とされている影響で聴きたい曲にお金と時間が追いついてない)、開き直って完全無知のまま臨んでみることに決めました。だってなんかウケるじゃんそっちの方が。それに、「何かを楽しむのに予習はいらない」というのがわたしの持論でもあるので!(予習するとより深みに嵌まれるのはその通りなんだけど)

そして完全無知のままライブに行ってみてどうだったかというと、翌日筋肉痛に見舞われる程度にははしゃぎ回りました。つまり、大いに楽しんできました。完全無知でも楽しい、音楽すごい。フラッドすごい。

そして、ライブハウス、すごい。

前述の通りわたしは全く曲を知らずに行ったので(2020ツアーなのにそれすら聴いていない←)、誘ってくれた友人にあとから「ちゃんとノレててちょっと安心した(笑)」とまで言われたんですが、それができたのはひとえにライブハウスという場所と、a flood of circleというバンドの力なんだよなぁ、と思うのです。

あの凄まじい音(物理)だけじゃない、ステージとフロアで共有される空気の温度や、伝わってくる一瞬の何か。それにただ身を預けていれば、勝手に身体は動くし、どんな人も音の船に乗せて、楽しい世界を見せてくれる。それが可能だったのは、自分も見事に連れて行かれたのは、ライブハウスという場所と、バンドのキャリアと力量があったから。それに尽きるんじゃないのかなと。ライブハウスという場所があって、バンドがいる。それらの要素で、魔法陣は組み上がる。

ライブを見るというだけなら、今やすっかり配信形式が浸透したので、ライブハウスでわざわざ……という面が正直あると思っていて、それはもう(この言い方はあまり好きではないが)世界が元に戻ろうが、覆らないものになった気がする。配信を前提に組むものと客を相手に組むものは別物だと先の一年で示されて、もはやそれぞれはそれぞれの代替品では無くなり、選択肢のひとつになったのだから。それに、ご時勢柄、発声鑑賞はご遠慮されていたけど、そうでなくてもロックバンドのライブってコーレスで盛り上がるとかそういう「現地で同志が集まってやらなきゃできない楽しいこと」的要素が少ないうえ、バンドはバンド、客は客っていう線がきっちり引かれている気がするので、画面越しでも楽しいを受け取ることは十分可能なのだとわたし自身思っているし。

それでも、画面越しでは伝わらない、同じ場所にいて真正面向きあって、おたがい真剣120%で対峙しているからこそ伝わってくる、予感めいたものが、あの瞬間にはあった。

わたしは普段そこそこポップロックミュージックに触れている人間で、だいたいの音楽においては音楽構成の共通則みたいなものが存在するし、一応幼少期にエレクトーンと戯れていたこともあるので、何も知らないでライブに飛び込んでもある程度どうにかする自信はあったんですよ。でも、そういう基盤がなかったとしても、ここにいる限りは問答無用で踊り出してしまうんだろうなぁ、と思いました。初めて聴いた曲ばかりなのに、その曲がどんな曲で、どこにブチ上がりポイントみたいなのが設置されているのか、みたいなのが伝わってくるから、あとはそれに乗っかるだけで。そういう感覚の一時間半でした。プロフェッショナルってすごいです、ほんとに。

曲のことを全然知らないのでセトリの妙とかそういうのはちょっとなにも分かんないんだけど、『Super Star』のフリは完璧だったし狙い澄まして撃ち殺されたなというのだけはその場でも分かりました。あれはもうダメですよ反則技ですよ。手札の切り方がよくわかっていらっしゃる!

あとなんかこう、隙がない、という表現が正しいのかな、たとえ暗転している時間でもMCの時間でも、全部がステージパフォーマンスの一環だった感じがしたの。それこそビジュアルと楽曲からは考えられないかわいさ満点なMCとのギャップとか。“両が違う”がまさか単に号車だけでなく、マジで車両が違うまで含んでいたとは(笑)みたいな。なにあれMCでそんなかわいいこと言われたらもっとライブ見たくなっちゃうじゃん!←

ついにApple Musicの無料トライアルに手を出してしまったので、手始めに2020聴きますね。

あとこれはライブハウスという空間そのものに対する感想なんですが、あの足の底や腹の底から音楽を聴いている感覚はライブハウスにしかないんだよなぁ~!!って実感しました。ホールでもでかい音でバーン!は聴けるんだけど、あの地鳴り感というか、空間全体がアンプになって足から腹から音がぶん殴ってくる感覚はライブハウスにしかないなと。ホールって広いから足から来なくない?

最後に訪れたライブハウス公演はにじぱれファイナルなので1年と4ヶ月ぶりだったんですって。

ただ、そろそろ耳の回復に時間がかかるようになってきたので(耳の不思議さが消えるまで2日ほどかかった)、次にライブハウスのライブへ参加するまでにライブ用の耳栓買おうと思いました。ここで大事にしないで聴力に問題出て音楽聴けなくなるのは絶対避けたいですからね!

書き残しておきたいことをダラっと書いたらまとまりもやまもオチも何もない記録になってしまいましたが、とりあえず言いたいことは良い夜でしたありがとう!ということです。

誘ってくれた友人とこのライブを作り上げてくださった全ての方、ありがとうございました!


冒頭について補足:【魔法陣】って本来辞書には載ってない言葉なので、つまり冒頭のそれっぽいあれはわたしが勝手に考えて書いたものなので「その語意おかしくね?」という指摘はそっと胸にしまっておいてくださいお願いします。
【魔方陣】なら載っています。レイトン教授のどれだかのナゾに「魔方陣」ってあるよね。わたしはそれで知りました。

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