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出会い録ー2023上半期

まだ息をしている、それだけでもまあ、及第点を。

はじめに

4月12日からここまでずっと11曲から抜け出せません、助けてください。なので曲数は少ないです。


月と星が踊るMidnight/日向坂46

年末の歌番組ラッシュのどこかでたまたま聴いて、衣装が好きだなと思ってたら曲も好きだったやつです。あと単に京子さんを応援している(キョコロヒーの影響)ので、センターだ!!すげえ!!となった。日向坂は「らしさ」が分かるほど通ってきてはいないんだけど、でもひらがなの時代は知ってるから、その気配も感じられて嬉しかった一曲。

ここにはないもの/乃木坂46

齋藤飛鳥さん卒業シングル、と銘打たれていたから数々の卒業者センターなシングルを思い出して勝手に曲を予想していたんだけど、実際は意外と違うところにきたな〜、と思った。歌詞の意味はそういう曲の要素が強いといえば強いけど、でも普段の乃木坂節とそう離れてもいなくて、サウンド的にも発売時期が12月だったからかクリスマスソングの意識があってハッピーホリデー感が強いというか。センターに卒業する人を置いてるにしては、卒業シングルっぽくない卒業シングルだったなと思います。あ、でもしあわせの保護色とは近いような気がする。聴いた時の感覚が。

そして飛鳥さんほんとうにダンスが素敵なので、このMVでソロカットあるところが本当に「分かってる!!スタッフ分かってる!!」となりました。細部まで素敵なんですよね。

Numbness like a ginger/UNISON SQUARE GARDEN

黄昏とおんなじところにダイレクトアタックしてきた、待って(待ってくれない)。

田淵さんはご自分のことをポジティブだって仰っているけど、でも単なる陽のポジティブでは絶対に心に抱えないじゃろ、みたいな機微を拾い上げられる人なんだよなぁって、なんかこう(まとまらない)。見かけのポジティブによる「ポジティブとはこうあるべきだ」ではないポジティブをくれるところがある気がする。「だからこんなにロックをポップに出来るんだろうな〜この人〜!」みたいな。

叶わない夢とか明けない夜とかが大衆受けするJPOP文脈に嵌まると、たいてい夢はいつか叶うし夜はいつか明けるものだと言われてしまうんだけど、それって本当に絶望の底にいるとむしろ命綱を切る言葉になるんですよ。夢破れた先や夜のあとに来る時間に対して何もないから絶望してるのに、いつかなんかなるよ、と他人に言われたところでその絶望が晴れることはないし、正直言えばどんなに辛くても朝よりも夜の温度の方が生きるのに合うから、明けない夜にしがみつくことでしか生きていられないという現状もある。
けど、いつか答え合わせ、なら、夜のまま、どうしようもない夢のままでも別にいいんだよ。夜にいたいならいていいし、叶わない夢のまま抱えていても、この曲の文脈を借りれば命あって生きてればもうそれが答えになっているので、無理やり朝に引っ張り出されることも、他人に言える言葉で区切りをつける必要もない。それは心のいちばん奥深くでその人の命綱だから。

分別奮闘記あたりも近いかもしれないし、mix juiceの言うとおりは本当にmix juiceの言う通り。ですね。

City Peel/UNISON SQUARE GARDEN

Ninth Peel楽曲でいちばん揺れたくなる曲は多分これ。スペースシャトル〜とかアンチ・トレンディ〜とか「うっわこれライブで聴きてえ〜!」っていうのとは別のところで踊りたくなる曲。

発売週のラジオマラソン楽しかったし、みゅーじっくらいんで南波志帆さんが戸惑ってるのが可愛らしかったし、SOL!の「やらない人生よりやる人生のほうがおもろい」「3秒で何かが生まれる」は心に刻んで生きていこうと誓った。だけどさすがにみゅーとれの時間を捻出するのは大変だった(2時間半)。げんさんANNがSpotify配信されててよかったぜ……。

ところで、ラジオマラソンのおかげで折に触れてチキチキボーンを買うか悩むようになってしまったので、田淵さんは責任とって(なんの?)CMタイアップでもやってください。バンド名義では絶対やんないだろうからDIALOGUE+とかで。

月夜の道を俺が行く/a flood of circle

花降る空に不滅の歌をから1曲目。フラッドちゃんのアルバムの1曲目って大抵ガツンと来るけどガツンと度合いがなんか今回は史上最強だった。砕氷艦もびっくりレベルの叩き割ってくる感覚。少しずつ歴史をなぞり始めてるからですかね……(2020から入った人)。

くたばれマイダーリン/a flood of circle

「なんで引っ越し蕎麦の悩みが?」と思ったら最後に回収される韻踏みのためのものでしたという仕掛けがあまりにも好き。『ラブソングは突然に(ry』の男前と女前みたいな、分かりやすく不可解な言葉が突然飛んできて後で回収されるこの感じは詩や歌を書く人間にしか出来ない芸当なんですよ!!!!!!!!(長文お気持ち表明しかできない人間による敗北宣言)

バードヘッドブルース/a flood of circle

ここに限り1アルバムから2曲縛り(実はまだ生きてる)をぶっ飛ばしていいですか?というくらい好きな曲。いや勝手に縛ってるのもわたしなんですけど。いやもうなんていうかさ、…………ねえ!!(言葉にならない)

これでツアーが始まるのかなんかこう、伝説の夜で浴びたAとかと一緒なんだなって場数を重ねたことで気づいてしまって、じわりじわりと侵食されてる感じがすごいです、いま。

ミレニアムハッピー・チェーンソーエッヂ/UNISON SQUARE GARDEN

縛りぶっ飛ばしたのでこれも書かせてくれ……のやつ。ベーター・エレとオーバーウェイトが韻を踏むとこが好きなんだ。言葉遊びの真髄って感じ。

常勝アミーゴ/THE KEBABS

これも言葉センス〜!の曲なんだけど、そのセンサーを綺麗に踏み抜く御二方がいるバンドの曲なのでそりゃー頭にもこびりつく。「弘法筆めちゃ上手い」が好きです(書道習ってたから)。おかげで春日井にドナドナされてたが。

人は夢を二度見る/乃木坂46

これはラジオ初解禁の時にラジオリアタイして泣いちゃった曲でもあり、その時のわたしの精神状態等を鑑みると「ここまで生かしてくれた曲」にもなって実は上半期を象徴してるかもしれない曲です。

そもそもこの時、なんでラジオ、つまり乃木坂46ANNをリアタイしていたかといえば、わたしが「とにかく世界から自分という存在を消したい、死んだことにしてしまいたい」と思っていたからで、まあ単純に言うとうつ状態みたいなやつで睡眠や食事というものが見事にぶっ壊されていたからです。誰からも死んだことにしてしまいたかったのでLINEも未読無視をしTLも見てはいるけどリアクションは一切しない、みたいな感じ。何もしないと衝動でどこかの線路に飛び込んでしまいそうな気すらあったので、普段なら「暇だなあ」って思う瞬間にもひたすらずっと絵を描くというタスクを詰めて、それの休憩がエレクトーンを弾くとかラジオ聴くとか、そういうのだった。とにかく何かで気を紛らわせよう、それだけだった。

だから当然夜にも眠れず、眠れない夜に無音でいるほど希死念慮が強くなることも他にないのでラジオをリアタイしてたんだけど、流す前にちゃんくぼ(とあえて呼ばせていただく)がこの曲に対する思いを結構しっかり尺を取って話してくれました。どういうメッセージがこの曲にはあり、その中で山下さんとセンターという立場をやることについて、「新しい乃木坂」として見られていくことへの覚悟、みたいな感じのことだったように思う。正直言って、この時に話していた内容は結構曖昧で、たぶん半分も覚えてない。でも、それを語るちゃんくぼの声色、きっとこういう顔をしているんだと想像させるその声色になんだかとても共鳴して、そして実際に曲を聴いて、わたしは「この曲が嫌いになるまでは生きるのがんばってみようかな」って思った。

乃木坂の曲って、基本的に「世界の光の部分だけを照らして見えるもの」を中心に構成されていると私は思っていて、それはいつだかにTAKAHIROさんが坂道グループの色について話していた言葉を借りると「乃木坂は理想を歌う」(欅坂および櫻坂が現実、日向坂が想像)。ちょっと斜に構えて聴くとすぐ鼻につくというか、少なくとも15年前のわたし(めっちゃ厨二病拗らせてた期)だったら一聴すらしなかっただろうなというような。
で、この時の心理状態を鑑みると、たぶん聴いてる途中でなんだよクソがと思って聴くのやめる確率の方が高かったなと振り返ってみても思うし、リアルタイム進行形でも「この曲いまの私が聴いたらなんかすっごいバカにしてしまうのでは?そしたら来週からこのラジオ聴けなくなるな」みたいな「嫌いになる不安」をすごくしてた。タイトルからして、「もう一度やってみようよ、いま辛くても諦めないで!」みたいな路線だろうとは察しもつくし。

だったんだけど、ちゃんくぼの話を聴いてからこの曲を聴いたら全然そういう不安はどっかに飛ばされて、そして一緒に泣いちゃった。

これ書くために久しぶりにMVつきで聴いたけどやっぱ好き。生かしてくれてありがとう。

おわりに

乃木坂とタイバニに救われてフラッドちゃんとゾンに頭から沼に沈められてなんとか息をしています、という上半期だったみたいですね。XIIXが楽しみすぎてどうしましょう。

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