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2020/8/3 法的根拠#1

LINEヘルスケアの不適切発言が話題に上がりましたが、
そもそもLINEヘルスケアって初回から遠隔だし、医師の名前もわからないのに大丈夫なの?と思い、法的な部分について色々調べてみました。
(相談のやり取りそのものは問題外ですね。)

利用規約

まずLINEヘルスケアの「LINEヘルスケア相談者向け利用規約」を見てみました。
このサービスはオンライン診療ガイドラインが定める「遠隔健康医療相談(医師)」と定義されています。(「オンライン診療ガイドライン」とは、厚生労働省が公表する「オンライン診療の適切な実施に関する指針」のこと)

6.禁止事項 には「画像・動画を提供しないこと」という記載もあります。皮膚科領域をはじめとして、画像添付も行えないことになっています。診療行為はできないですから、仕方がないところかと思います。

行政の指針

厚生労働省から「オンライン診療の適切な実施に関する指針」が出されています。PDFでダウンロードすることも可能です。

遠隔健康医療相談は以下のように定義されています。
遠隔健康医療相談(医師):遠隔医療のうち、医師-相談者間において、情報通信機器を活用して得られた情報のやりとりを行い、患者個人の心身の状態に応じた必要な医学的助言を行う行為。相談者の個別的な状態を踏まえた診断など具体的判断は伴わないもの
また、遠隔健康医療相談自体は医師以外も可能です。そのため、遠隔健康医療相談(医師)と遠隔健康医療相談(医師以外)と指針上も分かれています。

面白いことに、遠隔健康医療相談は「オンライン診療の適切な実施に関する指針」は適用されないようです。

また、遠隔健康医療相談では、「一般的な症状に対するり患可能性のある疾患名の列挙」は許されますが、「患者個人の状態に対するり患可能性のある疾患名の列挙」は許されません。『下痢をしている方は感染症の可能性があります。但し、あなたが感染症の可能性があるかどうかは判断できません』というイメージになるのでしょうか。ここのあたりはまだ良くわからないところです。

他に許されている行為としては「一般用医薬品の使用に関する助言」「患者個人の心身の状態に応じた医学的助言」「特定の医療機関の紹介」があげられていました。

Q.緊急性が高い場合どうなっているのか

調べてもわからなかったので心配であったのが、「相談者に緊急性が高いことがわかった場合、どう対応することが許されるのか」という点です。

今回おこった問題も緊急性が高いケースだったようにも思いますが、他にも「今まで経験したことがないような頭痛」のように、すぐにでも病院に行ったほうが良い状況が考えられますが、どこまで対応すれば良いのでしょうか。言い換えれば、被相談者はどこまで対応(介入)することが可能なのでしょうか。

これから指針も新たに作られていくかもしれませんが、
今後こういったサービスが増えていくのであれば、注視していかなければならないですね。

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