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【ドカベン×NJSLYR】サイレン・ブロウイング・フォーエヴァー・アンド・エヴァー

▽問題のTweet

▽これまでのあらすじ

記憶を失ったゾンビー・ニンジャ、ロックオウガは、腐臭消しのハッパをくわえて、破れ帽かぶって改造クギバットを振り回し、「ワイは(グヮラ) ロックオウガ(ゴヮ) じゃーい!(グヮキーン)」と敵をぶっ飛ばしている。
彼はかつてネ・リーグを代表するトップスターであったが、八百長を拒否し、仲間とともに相手投手に変装したニンジャによって人知れず選手生命を絶たれたはずであった。

<承前>

「ナツコはん…、ヤーマダ…」
ロックオウガは額を押さえ、よろめいた。栄光のクリムゾン・フラッグ。スカイフォーク。レイク・オブ・スワン。ふちか。脈絡のない文言が腐りかけたニューロンを駆け巡る。眼尻から緑の体液が流れた。
「イワキ、もういい。もういいんだ」
サトは泣いていた。

「ワイは、ヤーマダを」
「もういいんだイワキ。終わったことなんだ。お前のせいじゃない」
「ヤーマダ。そうや、トンマは。あかん、また頭が……グワーッ!」
ロックオウガは叫び、頭をかきむしり始めた。こそげ落ちた腐肉が降りかかるのにも構わず、サトは彼の胴にしがみついた。
「イワキ、バットを持て。投げてやる」

「ヤモト=サン、すまないが、もう少しだけ待ってくれないか」
サトは足で五角形を描き、ロックオウガを促した。巨漢はよろめきながら構えた。サトは注意深く60.6フィート離れて線を引き、セットポジションを取った。夕暮れの河川敷には、カラスの鳴き声だけが響いている。

ヤモトは即席のホームベースの後ろで中腰になった。体育の授業で男子がやっていたソフトボールのキャッチャーの見様見真似だ。サトは帽子のつばがあるべき位置に手を当て、会釈した。
サトの肘はすでに壊れている。
(ただ一球でいい。一生使い物にならなくなっても、この一球だけは)

サトは目をつぶった。タロ・ヤマダの入道雲のように大きな身体を思い描いた。
『シマッテイコー!』
声が聞こえた気がした。左足を上げ、大きく踏み込み、地を掴み、腰をひねり、投げた。激痛がニューロンを走る。(しまった、抜けた。)ボールは、ロックオウガの頭上にフラフラと上がった。

「ワイは」 ロックオウガが飛んだ。
「男」 マサカリめいてバットを担ぎ上げる。
「イワキじゃあい!」 GWARA-GOWARA-GWACKEEEEEEEEEN!!!!!! 激烈な打球音とともに、白球は遥か彼方へと飛んだ。
イワキ・マサミが着地して数秒、遠くでタマ・リバーにボールが着水する音が響いた。

【サイレン・ブロウイング・フォーエヴァー・アンド・エヴァー#6へ続く】

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