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「わたしの物語」を紡ぐ商品としての占い

なんで占い師になりたいの?

「なんでわざわざ占い師になりたいの?」と尋ねると、いろんなお答えを聞くことができます。

「お金のため」← わかりやすい。お仕事の基本中の基本。

「おもしろそうだから」← わかる。残念ながら無条件におもしろいことばっかりでもないけど、おもしろいこと増やせるようにがんばろー!

「お勤めが辛いから」← おつかれさまです。お勤め辞めるんですか?すぐにぜんぶ辞めないほうがいいですよ。占い師にもいろんな働き方がありますから、まずはぜひご相談にいらしてくださいね!

「人を助けたい」より、自分をだいじに

「人の役に立ちたいから」← うーん。わたしはこれ聞くとビミョーな顔して「もっと直接的に "他人の役に立つ" 職業は占いのほかにたくさんありますよ」って申し上げます。

「自分が大変な時に助けられたから自分もその役になりたい」という気持ちを否定するわけじゃないですが、「他人を助けようとする前に、まず最初に救われるべきは自分自身」というあたりまえの原理原則をもういちどよーーーく考えてみてくださいね。

「人の役に立ちたい」あなたがいちばん助けたいのは「誰か」じゃなくて「自分自身」ではありませんか?「誰かの役に立つ」=「自分の存在意義を確認する」手段にしようとしていませんか?

自分自身が安定していて、自分の状態がそれなりに満たされていなかったら、もっと大変な人に手を差し伸べたときに、一緒に自分も溺れてしまう可能性も大いにありますからね。よろしいですか?

みんな「自分」の話に興味があるんだ

「人気者になりたいから」← うーん。「もともと有名人や人気者が、占いもします」っていうならわかるけど、占いだけでメジャー世界の人気者になるのは相当レアケースで難しいのでは?

「人気占い師」になるには、占い師自身の魅力がもちろん必要でしょう。でも、大変率直に申し上げれば、占い師はアイドルや歌い手や役者や、タレント稼業とはちょっと、いやだいぶ違うんじゃないだろうか。

率直に申し上げれば、ふつうの人が占い師に求めるのは「わたしの未来が知りたい」「わたしってどんなひと?」「わたしの不安を解消したい」ですわよ。ぶっちゃけ占い師そのものの存在は二の次なんじゃないの?

お客様が占い師に求めるのは「こんなに素敵/立派な(にみえる)人に、わたしだけのオリジナルな物語を語って欲しい/わたしのこれからの未来や、目に見えない不思議な運命のストーリーを綴って欲しい」というオーダーでございましょう。

だからこそ占い師側からも「こんなに素敵/立派にみえる」ような仕掛けももちろん必要なわけですが、それはきっかけでしかない。究極的にはお客様が愛しているのは「◯◯先生を介して語られる、伝えられる自分のストーリー」です。ほとんどの場合、誰もがみんな興味があるのは「自分」についてであり、「自分の話」です。「それで、わたしはどうなるんですか?」それがみんなが知りたいことです。

占い師は単なる媒介に過ぎません。みんな「わたしのストーリー」を誰かに語ってほしい。その役を今回はたまたま占い師に依頼するんだ、ってことでありましょう。

「商品」としての占い

そんな中で、お客様が「〇〇先生のファンです。◯◯先生が好き」と思ってくれる方々が現れるのはたいへんありがたいことではあります。どんなに「占い師は占いの技術を売る」と言ったところで、占い師個人のキャラクターや見た目、話し方や声、文章スキルや一連の事務連絡でさえも、目に見えなくて不確かでちょっと怪しい「占い」という商品の品質を左右する要素の一つになりますので。

とはいえ「◯◯先生の言うことをなんでも聞く。毎日LINEしてる。毎週通ってお告げを聞く。次回予約は欠かさない」みたいな、占い依存はたいへんよろしくない。あくまでも主役はお客様であり、お客様の人生を「占い」や「占い師」が大きく占めすぎたら、それは本末転倒であります。

占い師はさまざまな形で「そのお客様にとって必要なストーリーを提供する」のが職務だと、わたしは考えています。←お客様がその上で納得、安心、決心などするかどうかまでは介入できませんね。

もちろん商品だから、なるべく「高品質」だといいけど、なにが「高品質」かは、人によって違ってものすごく難しい問題ではあります。

もう少し具体例に近づけて言い換えるなら、自分が提供する占いサービスをお客様から「気に入ったブランド」として、はたまた「いつもお洋服はここのお店で買う」みたいに、必要なときに思い出してご利用いただける占い師になれればいいなと、わたしはおもってます。

↑ 本拠地ブログで、こんなの書いてます。
こちらも合わせてぜひご覧くださいませ。

占い世界でのあなたの探検が、よりよい旅路となりますように!