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占いのお仕事、どうやってスタートしましたか?しますか?(その3)

確か2000年卒業だったはずなので、わたしはいまから20年以上前に鍼灸師免許を取得しました。

その頃にこう言われました。「鍼灸学校を卒業してそのまますぐに開業してもうまくいかないよ。どこかに勤めて実務経験がないと難しいよ」と。

当時すでに30歳近かったので、えー。新卒の若い子と一緒に肉体労働の職場でお勤めするのはしんどそうだなーと思ったのをよく覚えています。

それ以前にわたしはなかなか就職先も見つからず、いろんなアルバイトをしながらずるずると鍼灸師としての就職浪人みたいな一年間を過ごしました。そのあと、ものすごくハードでめちゃくちゃ忙しい超!都心の治療院でガンガン鍛えられることになります。開業したのはそこを退職したあとでした。

そうやって初めて自分の治療室を持って、初めての患者さんがいらっしゃるときの緊張は、いまでも思い出すと吐きそうなくらいに鮮烈で強烈でした。すべて自分の責任なんだ、と。

勤めているあいだは、本当に辛いことばっかりで、雇用主のボスや雇用体系や給与に文句ばかり言っていたけれど(それは実際に過酷なものだったので文句出るのは仕方ないとおもうけど)、ついに自分ひとりになってわかったのでした。自分の労働力と時間をを差し出して搾取される代わりに、ボスや組織に守られてもいたのですね。ひとりになってそれが痛いほどわかった。

まぁでも、結局のところ、ひとりになっても、何が起こっても、だいたいは勤めていた経験をもとに応用していけばなんとかなりました。勤めているあいだに、自分ひとりでは絶対にお目にかかれなかったような方々や、いろいろなケースに出会っていた経験がなかったら、対応できないような難しい場面もたくさんありました。なんだかんだいって、経験値の多さはやっぱり貴重で、プライスレスの重みがありました。

鍼灸学校を卒業する時点で、30歳近かった私よりもっと年齢が上で、家庭環境や自己資金に余裕があったのであろう人は、すぐに開業しているケースもありました。とっても真面目で成績優秀で、美しくて賢くて、という人たちでも、どうやらうまくいかなかった、という話を風の噂に聞きました。

そういうわけで、ようやくわたしはそのときになって「鍼灸学校を卒業してそのまますぐに開業してもうまくいかないよ。どこかに勤めて実務経験がないと難しいよ」という言葉の意味の重さをだんだん理解できるようになったわけです。お勉強はもちろん大切だけれど、目の前の困っている人に対応したり、イレギュラーな現実の数々の問題に対処するには、お勉強だけではとても太刀打ちできないのです。

卒業後、あれは10年後だったかな?同窓会に行きました。そういうときだから、それなりに活躍していたり、人生が充実している人ばっかりしか来ていなかったけれど、人気があって繁盛していて活躍している人たちは、どっちかといえば学校時代の成績は低空飛行で、でも実務経験がものすごくたくさんあって、コミュニケーション力に長けているチャーミングな人ばかりでした。(家族をたくさん養うくらい稼ぐ必要があるという点においても、大きく活躍しているのは男性が多かったですね)

え?「で、その話は、占い師になる話と何か関係あるの?」と思われますか?

うーん。確かに直接ぜんぜん関係ないかもしれませんね。でも、場面を変えて考えてみれば、きっと役に立つ情報も含まれているのではないかな?と思って書いてみましたよ。

つまり、あなたがこれまでに経験してきたお仕事やスキルを応用すれば、役立つこともきっとたくさんあるんじゃないかな?とも言えますね。特に対人業務の人や、接客プロの人などは、占い師としてすぐに役立つ貴重な経験やスキルをたくさんお持ちなんじゃないかと思います。

現場に出なければわからないことはたくさんあります。そう。現場で得られる経験値はとても貴重です。わたしは鍼灸師から占い師にだんだんシフトしていきましたが「目の前の人に自分の技術を提供する」という意味ではあまり違和感がなくて、それまでの鍼灸師としての経験は、だいたいそのまま占い師としても応用して生かすことができました。

現場の仕事、もちろんたいへんなこともあるけど、目の前で自分のやったことへのリアクションがすぐ得られるのは、何にも変え難いやりがいです。遠くからぜんぜん知らない人が訪ねてきてくれたり、偶然の出会いから貴重なご縁が始まったり、すぐ目の前の人が泣いたり笑ったり、想像もしないようないろんなことが起こる現場は、とっても楽しいです。

広い世界には、ぜんぜん自分には想像もつかないような生活をしていたり、いろんな考えや環境のもとで生きている人がいます。その一端に触れられるだけでも、わたしは現場にいてたのしいなーよかったなーと思うのです。

ソロ活占い師シリーズの第三弾、いよいよ23日開催です!

実は「現場はちょっと怖い」と思っている人や、「わたしはお勉強だけでいいから」とか「わたしは実際に人を占うことはないから」とか「わたしはオンラインだけで対面占いはしないから」みたいに思っている人にこそ、今回のお話を聞いていただきたいのです。

人と人が出会う現場、一期一会のスリリングな出会いの数々、ぜひそっと覗き見してみませんか。お待ちしております。

占い世界でのあなたの探検が、よりよい旅路となりますように!