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こんなこと言ったら恥ずかしい…

あたらしいおきゃくさまがやってきました。
こんにちは。ようこそいらっしゃいました。どうぞお入りください。

お客さま「あ…はい…どうも…」

こんな地味でへんぴな占いルームによくぞお越しくださいました。どうぞお座りください。

お客さま「あ…はい…どうも…」

きょうは60分スタンダードコースのご予約でしたね。ありがとうございます。こちらはネットの検索で見つけてくださったんですか?それともどなたかのご紹介ですか?

お客さま「ええ…あの…なんかその…ただの占い好きで…占いってなんかおもしろそうだなーっておもって……」

そうですか。わざわざこちらを見つけてくださってありがとうございます。お客様もなにか占いをなさるんですか?

お客さま「あ…はい…えっとそんな…占いをする、というほどでは…なんかちょっといろいろと…興味があって…いろいろネットでみるくらいで…」

わかりました。では始めましょうか。きょうはどんなテーマでなにを拝見しましょうか?なにかお困りのことや、知りたいことがおありですか?

お客さま「え?…ええと…あの…いま何か大きく…問題があるとか…困っていることがある…というわけでもないので…」

そうですか。ではまずざっくり全体的なお話からはじめてもいいですか?

お客さま「あ…はい…じゃ…それで…」

わかりました。お客様のお誕生日は、2021年の1月27日。まだ生まれたてのほやほやでいらっしゃいますね。

お客さま「あ…はい…ええ…」

すごいなー!とってもダイナミックな星回りのときにお生まれになりましたね!ほら!ご覧ください。

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お客さま「あ………なんか…だいなみっく?…それって、すごく悪い…ってことなんですかね」

違います違います。まずこの赤い線がたくさんあるの見えますか?とってもよく目立ちますよね。これからのお客様の人生には、たくさんのチャレンジや冒険が待っているよ!って意味なんです。お客様はとっても柔らかで敏感な感受性に恵まれている方です。将来の人気運も抜群ですよ。これからなにを身に付けて、どんな人たちとどんな風に人生を満喫されるのか、とっても楽しみですね。思いがけないところにつながって、世界が広がっていくような可能性がたっぷり満ち満ちていますよ。

だけど、いまはまだこの世に生まれたばかりなんですね。ご自身を守ってくれる殻も柔らかくてふわふわのぷるぷる状態だから、外界の刺激にもひとつひとつ反応しちゃうし、いろんなことが一気に押し寄せてきちゃって、こわいなーとか心配だなーっておもって、だからお言葉もうまく出てこないのかもしれませんね。そんなにぶるぶる震えなくても、だいじょうぶ。心配ありませんよ。まず最初にわたしを訪ねてきてくれただけでも、お客様はとっても強運!まちがいなし。たまき嘘つかない。お約束します。

お客さま「あ………そ、そうなんですか…すみません……なんかすごく…緊張してて…うまく…喋れなくて…すみません…ありがとうございます…」

じゃあ続きをお話ししますね。「算命学」ってご存知ですか?東洋の占いの一種です。

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おおー!真冬にたくましく咲くお花ですね。いっけん儚げですが、意外にしたたかで丈夫です。どこにいってもあなたを気にかけてサポートしてくれる人や援助が得られやすいです。でもじっと黙ってただ待っているだけではダメですね。ふだんはおとなしくても、独創的なセンスや発想力を武器に、周りがびっくりするようなチャレンジも似合う人です。体を動かしたり、体を使う技能を身に付けるのもいいですね。表現力を磨くような習い事をなさるとますます魅力がアップしますよ。

常識に巻かれっぱなしで守りに入って現状維持を望むのではなく、常に向上心や好奇心を忘れないでください。アイデアで稼ぎだすビジネスの才覚があるので、まずは広い世界に出ていきましょう。理想は大きく、視野を高くもって学んでくださいね。赤系の服装や持ち物を意識的に取り入れるといいですよ。明るくいきましょう。とにかく笑顔がだいじです。スマイルゼロ円!笑う門には福来たる!

お客さま「あ………なんか…すみません……えっと、これってわたしのおはなしですか?なんか、ぜんぜん…あたってないっていうか…え?これがじぶん?ってぜんぜん…ぴんとこなくて…あ、ごめんなさい。もんくとかじゃなくって…なんかその…」

そうですか。最初だしもっと「そうそう!そうなんです!」って楽しみたかったですよね。ご期待にそえなくてごめんなさいね。いまわたしが読んでいたは、お客様の生まれ持った地図みたいなものなんですよ。もしくは「あなたにはこんなスタイルが似合いますよ」という仕様書みたいなものって言ったらいいでしょうか。

だからもちろん、わたしの提案がピンとこなかったら「へー」とかいまだけ適当に返事だけしていただいて、その通りにしなくたっていいのです。お客様の人生なんだから。気に入らないことまで無理に受け止めようとしたり、ましてやそのとおりに行動する必要なんか一ミリもありませんよ。

お客さま「いえ…あの…そういうつもりじゃなくって…あの…わたしの天職とかって…そういうのとか、もしかして、わかるんですか?」

うーん。お客様のおっしゃる「天職」ってどういうことを指していらっしゃるのですか?「じゃあ、アイドルになりましょう!」とか「エンジェル投資家がお似合いですよ!」と申し上げたほうがいいんでしょうか?それとも「あした運命の人に出会うわ。夢で会うわ」とか?

お客さま「あ…なんかその…そういうことも、なんかこう…未来とか、これから起こる出来事やわたしの姿とかがみえるのかなっておもって…」

そういうご希望でしたか。なるほど。残念ですがわたしはみえないものがみえる、みたいなお話はできないんですよ。ごめんなさい。

でもね、未来って必ず決まってて動かせないような固定的なものってわけでもないですからね。わたしが占いの使い方としてオススメしているのは「あなたはこうなりますよ」みたいなお告げよりも、いまのお客様のご希望の進路やルートをお伺いして、それにあった進学や職業選択、変化のタイミングをみながら、これからの作戦を立てる、みたいなアプローチなんですけど、そういうのはご興味ないですか?いかがですか?

お客さま「あ、あ、あの…こんなこと言ったら恥ずかしいんですが…」

え?だいたいたいていのお話は「そーなんですね!」と思ってお伺いしますよ。基本的に占いは、ふだん外で話せないことをひっそり話す場でもありますし、お客様の秘密はここ以外でお話することはないですよ。

お客さま「でも…なんか…ぜんぜんわたしなんか…恥ずかしい…」

つづく。


占い世界でのあなたの探検が、よりよい旅路となりますように!