おきゃくさまはおろおろしている
おきゃくさまはとってもシャイな方でした。
こんなときにわたしはまず、なるべく穏やかにふわっと全体的に、おきゃくさまのいいところを見つけて、未来の可能性についてお話しています。
ところが、それまではおとなしく受け身で「はい…ええ…」の連続だったおきゃくさまが、急に「恥ずかしい…」を繰り返し、なにか言いたいことがあるのに言えない、というご様子になってきました。いいぞいいぞ。その調子だ。とってもいいかんじです。え?だって「別に問題はないし、困ってないです」とおっしゃる方が、途中で気持ちや緊張がほぐれるのか「実は…」というお話になる展開は、あるあるケースです。ひょっとすると「この占い師はご自分のだいじな秘密を打ち明けるに足る相手かどうか?」を冷静に、またはご自分のフィーリングや好き嫌い、直観で判断してから、だいじなことをお話くださっているのかもしれません。ですから、今回のように、鑑定時間のはやいうちにこの展開になれば、今回のおきゃくさまの持ち時間の中で、しっかりそのテーマに向かい合うことができます。いいかんじです。
※ わたしはその場での鑑定時間の延長は一切受け付けていません。たとえ後ろの時間に空きがあっても、あらかじめ決めた時間内で構成して、あらかじめ決めた時間内で終わります。この理由については、またいつかそのうちお話ししましょう。
他にも、お金を払い終わってからとか、お帰りがけの玄関で、ようやくふっと気が抜けていちばんだいじなテーマや、いちばん尋ねたかった問題をおっしゃるようなおきゃくさまのケースもありますね。これは幸か不幸か、オンライン鑑定では決してできないことのひとつですね。実際に顔をあわせて、リアルにお目にかかる鑑定ならではのグラデーション、あわい、雰囲気の賜物です。この雰囲気がお好きで「オンラインは便利だけど、余韻がなくてさびしい」とおっしゃるおきゃくさまもいらっしゃいます。
おっと。脱線しすぎました。繰り返し「恥ずかしい」とおっしゃるおきゃくさまのご要望に戻りましょう。
お客さま「あ、あ、あの…こんなこと言ったら恥ずかしいんですが…でも…なんか…ぜんぜんわたしなんか…恥ずかしい…」
占いはもともと、お外ではなかなか話せないようなことをお話できる場所ですし、わたしは相当な、よほどのことでなければ驚きませんし、ここでのお話が外に漏れることはありませんよ(あ!いまこうやってnoteに書いてるのは、このお客様の了解済みですからね!)。占いでわかることから、できる限り応援して作戦立てますから、おきゃくさまのお考え、もしよかったらおしえてください。
お客さま「あの…わたし…あの…占い師になれますか?」
え? あっ。そうか。そうですか。そういうお話だったんですか。なーんだ。なるほど。ぜんぜん恥ずかしいおはなしじゃないですよ。そうですか。きっとおきゃくさまは、占いにとっても興味があって、それならまずは実際に占いを受けてみよう、ということでお越しくださったんですね。思い立ったらまずはすぐ行動!すばらしいですね。初めての占いとしてのご指名、ありがとうございます。わかりました。
では、おきゃくさまが「占い師になるには?」という視点から、改めてしっかり拝見していきますね。うーん。あ、そうだ。そういえば、まだおきゃくさまのお名前をお伺いしていませんでしたね。もしお差し支えなければ、おきゃくさまのお名前をお教えいただいてよろしいですか?
お客さま「え…あ…なまえ?」
そうです。お名前。ちなみに、わたしは姓名判断はできません。ご本名ではなくて、ハンドルネームでももちろん構いませんし、占い師ネームがあるなら、もちろんそのお名前でも。
お客さま「な、ま、え?」
あ!もしかして、まだ生まれたばかりで(お誕生日は2021年1月27日だそうです!)お名前がないのですか?
お客さま「なまえ… なまえ… おろおろ…」
え????「おろおろしている」ってことですか?
お客様「ぱんだ、おろおろ…」
あ… はい。「ぱんだ、おろおろ?」とおっしゃいましたか?(あれまぁ。困りましたね。おきゃくさま、だんだん退行しとるわ…)
つづく。
占い世界でのあなたの探検が、よりよい旅路となりますように!