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『虎に翼』のすごさ

『虎に翼』がすごいところは、“自立”を描くにあたって、決して強くて、能力のある人ばかりを描いていないこと。法学部で勉強できているのも、その後ろで生きるために必要なケアを担ってくれるひとがいるからだし、ケアの担い手と社会との関係性もちゃんと描いていく。
 ぼくの番組『toi-toi』で街頭インタビューをやったとき、応じていただいた女性の中に主婦の方がいて、「わたしは稼いでいないから、社会の役に立っていないんじゃないか」とおっしゃる方がいて、本来人に日々の糧を毎日欠かさず供給して生命を持続させる重要なことをされているはずなのにどうしてそんなことおっしゃるんやろうとずっと考えていたが、今の世の中では人を生かす「ケア」の価値がまだまだ過小評価されているんじゃないか、と同時にケアや家事について言葉にできる場がまだまだ少ないんじゃないか、と気づいてきました。
 『虎に翼』はどんな人も大切な存在で、怒りや悲しみ、悔しさ、どんな感情も大切なんだよと教えてくれている気がします。

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