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【読書】ダマシxダマシ(森博嗣)

結婚詐欺のお話として進んでいく本作、騙されているのは読者か。

まず大前提の楽しさは森博嗣作品を読んできた人だけがわかる喜びや驚きがある。

今回の登場人物は主人公の小川令子さん以外は、みな偽っている。
犯人はもちろん、上司や同僚、会う被害者も。なぜ偽るのか。
そもそも偽らずに生きている人間はいるのか?偽っている自分も本当ではないか。
偽ることも、偽られることもどこかで楽しんでいないか。考えさせられる。

さて、森博嗣さんの本のキャラクタはどうしてこうも魅力的なのか。とにかく、素敵なのである。
そうとくにあの男性。同じ男として惚れ惚れするわ。なんなん。格好良すぎでしょ。この人はずっとこうだよな。でもダマシているのにはいつか限界がくる。ただ相手はだまされていないと言う。
そう一流は騙されたと言わせないのだ。

森博嗣さんの読者への騙しもそう、我々は騙されていないんだと思った。それはただの歴然たる事実。極上である。


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