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好き嫌いする吊り橋

吊り橋は自分の橋から見える景色が自慢でした。ちょっと意地悪なその吊り橋は、好きな人が渡るときだけ美しい画を見せてあとは霧の中に隠してしまおうと決めたのです。

しかし、困ったことが起きました。見せたいと思う人以外にもたくさんの人が来てしまうようになったのです。それも毎日毎日増えてきます。

不思議に思っていると、吊り橋に来た人たちの話が耳に入ってきました。その内容は、わざと景色を隠していた霧が神秘的だと噂になってるというのです。

嬉しいやら面倒臭いやら複雑な吊り橋でしたが、もっとみんなを喜ばせる吊り橋になりたいと思うのでした。

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