少女都市からの呼び声(4)

心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなくかきつくれば、あやしうこそものぐるおしけれ。

少女都市からの呼び声について、取り留めもないことが脳裏に浮かんでは消え、ネタバレもできないこの時期、noteに書いてはあの観劇の時間にトリップしておかしな気持ちになってくる。

毎日1公演、2公演、稽古の頃を入れたらもう寝言でもセリフが出てくるかもしれないくらい役にどっぷりなはずの安田くんは、

フィアンセが白い馬車(人力車?)に乗って登場した時、びっくりした顔と、理解できない……って顔を混ぜたような、あっけにとられるともまた違うけれど、なんともどっからどう見ても初見の人がする顔をして白い車を見つめていた。

気を抜かず、手を抜かず、細かい演技までやり尽くす安田くんの姿をみて、感動した。

当たり前じゃん!って話なんだけど、演技すらも演技するっていうか、演技を超えて素の表情にも見えるくらい馴染んだ演技になってると言うか、演技のうまさに舌を巻いた。

雪子が足で演技するシーンから連隊長たちが出てくるフランケの回想シーンに移行する時、雪子の乗る白い車を子宮虫ちゃんたちが片付け、また元のオテナの塔にシーンが戻ってくる時、車を元の位置に戻しに来る。

場面転換までも演出の中に入れ込むとき、目立たないように……のパターンと、それすらも演技に入れちゃうパターンとあるけれど今回は後者で、子宮虫ちゃんたちは互いに🙆のポーズで確認しあい、黒いウイスキーのお姉さんとも🙆としあい、可愛く場面転換をしてくれていた。

細かく見ていくと演者さん同士目線で分かりやすく合図しあってる場面がいくつも見受けられて、演技なのか、演技に必要な素の確認なのか、仲のいいというか、雰囲気のいい座組じゃないとできない演技がなされててすごいなって思った。いい空気を体感させてもらった。

見られてるとか見られてないとか、距離的に見えてる見えてない、じゃなくて、プロとして一瞬一瞬の動きや表情をみんなが大切にしながら進めていく舞台だからあんなにパワーを貰えるし、仄暗いお話に感じるのに見終わった時のスッキリ感と満足感に繋がるんだな……。とありがたい気持ちになった。


劇中歌で何度も歌われる、特に肥後さんと六平さんが歌ってた歌が今日頭から離れず、しかもポンコツなことに途中でキューティーハニーに変わってしまうんだけど、でもあの迫力ある低音で声を揃えてビリビリと耳も皮膚も振動するくらいに揺らされながら響いてくる歌本当にまた聞きたい。

Bunkamuraから今回のサントラでないかな。

毎回、舞台見る度にサントラ欲しいって思う。

咲妃みゆさんはほんとに綺麗。粉雪牡丹雪の歌のところは声も涼やかでダンスも軽やかで美しくて透明感がある。だけど迫力ある声を出す時は怖くて重圧感ある。

有沢に絡みつく時の『ん~?』『む~!』『んふふ』など、可愛い女子にしか許されない擬音が様になる咲妃みゆさんはほんとにすごい。

まずお顔が綺麗で声が綺麗で、体の動かし方も美しく、スカートから覗く御御足は筋肉が美しくしなやかに付いていて惚れ惚れする。

ぱっと並ぶ田口と雪子は同一人物に見える時もある。

でも、兄と妹にはどうも見えない。

さっき閃光ばなしやリボルバーの公式YouTube見て思ったのが、安田くんがしっかり妹のいる兄だし、弟のいる兄なんだよ。

逆に兄妹、兄弟なんだけど同一人物には見えないんだよ。是政と政子も、フィンセントとテオも。

もし私の思う、トランスジェンダーの田口の中の女性性を雪子と名付けている舞台だとしたら、その同一人物らしさと先の舞台での兄妹ろ兄弟の演じ分けがすごいなと、感じた。

下に妹弟のいる兄を演じる時と、兄と呼ばれながらも妹はおらず、トランスジェンダーで中に秘める女性性との関わりを演じる時と、安田くんの演じ分けを今感じた。

舞台上に安田くんがいる時に、目の前でその演じ分けの凄さを感じたかったな……

よもやナマモノを見たあとに見たYouTubeと記憶の比較で気づくとは……不甲斐ない。



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