あのよこのよ、浮世と憂き世

秋斎の描く新政府批判の風刺画から舞台化始まる。

風刺画の内容は、新政府のら卒のお偉いさん（山路）が閻魔様としてかかれ、無罪の人が（顔が嫌い）という山路の気分で処刑されようとしているシーン。めっちゃ舌が伸びて面白い。ら卒が好き放題してる様子を揶揄して描いている（はず）。

その後、それを書く秋斎と弟が登場。絵を描く時、秋斎はとっても頭を振る。
『やめなよ兄さん！ら卒に捕まるよ！』の声に『浮世絵師の洒落もわかんねぇなんて！捕まえられるもんなら俺を捕まえてみよろ！』とたんかを切る秋斎。

そして殺陣があり、捕まる。

捕まった時、竹で打たれ、1本ムチで打たれ、痛そう。その時秋斎は上裸。ご馳走様です。とっても綺麗に筋肉が付いていて、美味しそうだし美しい。

ラ卒と戦いながら、捕らえられながら、秋斎自身があのよこのよと書かれた巻物をばーーんと開いて題名を出すシーン。拍手👏👏👏ここぞ！というのを演者も観客もわかった上で拍手を送るのがまるで歌舞伎のよう。

恍惚とした安田くんの表情も相まってとても良い。

そして場面転換して、おにぎり屋…いや、酒屋のシーン。

また上裸の秋斎。

『肉が裂けるわ膿むわで最悪！』とラ卒から30回ムチ打ちにあった報告を弟や酒屋の主人にする秋斎。

綺麗な上裸。

今回の舞台はマニアックのご縁。
このくだりで酒屋の主人がムチの種類に興味津々で、1本ムチか〜ってなってるところに安田くんが『特殊趣味(マニアック)‼️』って言うセリフが用意されていたこと、私はすごく感動したよ。

そして弟からメガネを貰う。
『兄さんすっごい身体振って描くじゃん？いつかメガネ飛んでくと思ったんだよね』と飛んでかなさそうなデザインのメガネをくれた。

そして、フサさん（おにぎり屋の妹）が来る。

秋斎の上裸に（キャー）ってするけど、むち打ちを見てもらってたんです！っていう説明に『首が？…ああ、ラ卒ね』となるのがおもしろい。確かに、むち打ちって色々あるよね。

フサさんが秋斎に対してぼや〜っと未来が見える。すぐ先なのかずっと先なのか、いいことなのか悪いことなのかも分からない未来がボヤ〜っと見える。

フサさんが前にも未来が見えた話をする時、新撰組の土方の最期を言い当てたと、タップダンスやら何やらを交えて教えてくれる店主。面白いけどダンス気になりすぎるわ！と思ったタイミングで『話入ってこないですわ』と、止めに入ってくれる秋斎、シゴデキ。それまでは弟と一緒に『えーーーーー』と声を合わせて言いながら、バカボンのシェーのようなポーズをしていたのに。

フサさんは未来やら幽霊やらが見える。
秋斎には、若い女の人が見えたと言う。

いい未来？結婚？とワクワク浮き足立つ秋斎、可愛かった。

そして、そして、ミツという女が店に入ってくる。

そして、そういえば序盤からカンタという男が店内にいた。

ミツとカンタは恋人。

さらにそういえば、ら卒に捕まった秋斎に（もうあんな絵を描くな！）と弟に怒られている時、『長州も薩摩も、みんな嫌っていて、あの絵が刺さったから売れたんだよ！』と熱弁する時の秋斎、めっちゃ早口で大変そう。

そして、『みんな嫌いなんでちょ。あ、語尾に長州混ざっちゃった。』といたずらっ子な顔をする秋斎。まじ可愛い。安田くんが噛んだのかと思って可愛い〜〜〜の気持ちでいたけど、2回目見た時も同じように言ってたからセリフで用意されてた“噛んじゃった”だった。まじプロ。演劇のプロだし可愛いのプロ。安田くんまじで凄まじい。

そんで、ミツが持ってた行李。それを狙って刀を持った危ない男たちが入ってくる。

店主、その妹、ミツ、かんた、秋斎、その弟。

皆が切られそうになった所を！

相手から刀を奪って！

逆転！

バッサバサと斬り殺す秋斎。

もうね、この、相手から刀を奪う時の所作が美しいのよ。

刀を蹴り上げてキャッチして切るシーン。何度でもみたい。

血飛沫を赤いスズランテープを割いたものをパーッとてから切られた側が放って死んでいく。

鮮やかで命が散る様子がよく描写されてた。

『どーすんの？！血だよ？』となる店内の人々。

『これだよ！』となり血で絵を描く秋斎。

『俺死んだ？ってなってないじゃん！やられたー！あと1手早かったら俺死んでなかったかもしれないって顔しながらも、俺死んでるーってわかって死んでる顔してるじゃん！俺が書くべきはこれだよ！』と大興奮。

超頭振って描いてて面白かった。

『人としての正しさとか言わないでくださいね？！』の秋斎も、『輩に襲われて返り討ちにしちゃダメなの？？新時代生きづらい！！』の秋斎も、どちらも時代にそぐわなくて可愛かった。

逃げて！と戦う秋斎たちはミツさんとカンタさんを逃がしましたが、襲ってきた輩たちにミツさんは打たれたような音がして、その後行方不明になりました。

続く…