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『SIX The Musical』NYブロードウェイ観劇記録レポート②

SIX The Musical

観劇日:2020/2/27
会場:BROOKS ATKINSON THEATRE 

イギリス発のこのミュージカルはケンブリッジ大学のミュージカルサークルが創ったんです。つまり学生が創ったミュージカル。
プロデューサーの目に留まりメジャーデビュー。West Endでも大人気。そしてブロードウェイへ。夢があるねぇ。

そんな最新作のプレビュー公演を観劇しました。

簡単なあらすじはヘンリー8世の6人の妻が誰が一番不幸だったかをコンサート形式で決めようというお話。簡単すぎるか(笑)
ひとりずつの紹介曲があったり、現代版キャッツみたいな感じです?!

休憩なし約80分のこの作品。サクッと観ることができて良いです。
事前にヘンリー8世とその6人の妻の関係を調べてたんだけどビックリ。今の時代じゃ絶対に考えられないような殺され方をしていたり、本当に酷すぎるヘンリー8世。そんな可哀想な妻6人しか出てきません。
開場中のBGMはまさかのチェンバロ。笑
そうか。ヘンリー8世の時代1500年代だもんな。このBGM、SIXの楽曲のチェンバロバージョン?な部分もあったような。
そんな開場BGMからは想像もつかない本編が始まります。

トレーラー映像を観て「ナニコレ」と声が出た

これがこのミュージカルのダイジェストとも言えるでしょう。この映像を観た時、ライブとして成立しちゃって、ちゃんとミュージカルになってるの?!と思ったので自分の目で確認してきました。

この作品はライブミュージカルコンサート

この作品はエレクトリックな曲調の中に様々なジャンルの音楽が散りばめられています。それこそチェンバロが入っていたり、アコースティックギターが入っていたり。エレクトリックな曲調は一見ずっと「アゲェ」な音楽だと思われがちですが、バラードにもなります。そのギャップがミュージカルという要素とマッチした時素晴らしい効果を生み出します。

本編はまさにライブでもありミュージカルでもあり、最後はコンサート。ハンドマイクを持って歌い上げる。セリフもハンドマイクで喋る。それもまた良い。衣装も全員キメキメ。色合いがどこかのアイドルグループでありそう。そして全員イヤモニしてる笑 お客を煽る時は片耳外す。完全にライブやん😂と思うところはあるがちゃんとミュージカル(話は薄いかもしれないけど)
セリフ中にバンドが効果音的にジャン!と音を出すやつ(あれ自分すごい好きなんだけどなんていうのアレ?)も全部キメキメ。セリフと照明とバンドも全部でキメてくる。
セットもエレクトリックな雰囲気に合わせているがどこかその時代の建物を感じさせるオブジェに仕上がっている。

キャストについて

プレビュー公演ということで全員ブロードウェイ版オリジナルキャストで観劇できた。6人全員に個性があり、プレビューからとても良い仕上がりになっていた。
人種やジェンダーなど関係なく、多様性を持つようなキャスティング。歴史上の人物に似せて演じるのではなく、個性を前面に出す演出だ。
6人の女性キャスト。4人の女性バンド。10人の女性がパワフルに演じることで"現代の女性が持つパワー"を体現できる物語になっている。
お気に入りはANNE BOLEYN役のAndrea Macasaetがとってもよい声で良い味出している。面白かった。

音響へのこだわり

ボーカルにはゼンハイザーのワイヤレスマイクにDPAのヘッドをつけており、コンデンサーらしい繊細なニュアンスもしっかり伝わる音色だった。
出演者にトラッキングを付け、視覚と聴覚の位置(パンニング)を一致させることでより6人の歌声が鮮明に聴こえてきた。おそらくd&b Soundscapeシステムを使用しているのだろう。

まとめ

今までのミュージカル概念を大きく覆すこの作品。

3月12日ブロードウェイで初日を迎えるはずだった新作ミュージカル。
ニューヨーク州知事が500人以上の集まりを禁止としたため、オン・ブロードウェイの会場は3/12から4/12までの間、公演中止を余儀なくされている。
その為、SIXの初日イベント(レッドカーペットイベント)も中止となった。
プレビュー公演から超満員で熱気に包まれていた客席。
予期せぬ事態で4月に初日を迎えることとなったSIX。
これからの盛り上がりにもぜひ注目したい。

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20120.03.15
Sota

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