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樹木鉛筆が欲しい

樹木鉛筆が欲しいと思った。
1996年発売のコーリン鉛筆のオリジナルを。
一般の文具店には並ばなかったため流通量もそんなには多くなかったようでヤフオクに張り付いても中々出てこないし、出てきたとしてもかなりの高額。

ということでコーリン鉛筆の樹木鉛筆をおさらい。
・1996年発売
・株式会社ミネルバが企画(コーリン鉛筆がOEM生産)
・一般の文具店ではなく商品の企画をした(株)ミネルバや教育雑貨店で販売されていた
・vol.1とvol.2があり、それぞれ12種類の木材(合計24種)で作られた鉛筆で軸に樹種(英語/日本語)、科名(日本語)、産地(英語/日本語-日本の場合は都道府県)、比重が刻印されていた。
使用されていた樹種、表記は以下の通り
・価格はそれぞれ3800円

vol.1
No.1 HB Rosewood/India ローズウッド(マメ科)※0.93 インド
No.2 HB ring-cupped oak/Japan アカガシ(ブナ科)※0.87 宮崎県
No.3 HB Ovangkol / Gabon オバンコール(マメ科)※0.81 ガボン
No.4 HB African padouk / Cameroon アフリカンパドック(マメ科)※0.81 カメルーン
No.5 HB Hop hornbean / Japan アサダ(カバノキ科)※0.71 北海道
No.6 HB Japanese manchurean /Japan アオダモ(モクセイ科)※0.71 北海道
No.07 HB Teak/Myanmar チーク(クマツヅラ科)※0.68 ミャンマー
No.08 HB Beech/Japan ブナ(ブナ科)※0.65 秋田県
No.09 HB Plum cherry / Japan ヤマザクラ(バラ科)※0.60 静岡県
No.10 HB Walnut / North America ウォールナット(クルミ科)※0.59 北米
No.11 HB Japanese yew / イチイ(イチイ科)※0.51 岐阜県
No.12 HB Royal paulownia / キリ(ゴマノハグサ科)※0.30 福岡県

vol.2
No.13 HB Ceylon ebony / Thai コクタン(カキノキ科)※1.16 タイ
No.14 HB Pao rosa / Central Africa パオロッサ(マメ科)※0.93 中央アフリカ
No.15 HB Zebra wood / Cameroon ゼブラウッド(マメ科)※0.81 カメルーン

No.16 HB Ternstroemia / Japan モコック(ツバキ科)※0.80 宮崎県
No.17 HB Asamela / West africa アサメラ(マメ科)※0.75 西アフリカ
No.18 HB Japanese zelkova / Japan ケヤキ(ニレ科)※0.69 群馬県
No.19 HB Madorone / North America マドローネ(ツツジ科)※0.69 北米
No.20 HB Oak / Japan ミズナラ(ブナ科)※0.68 北海道
No.21 HB Europianmaple / Denmark ヨーロピアンメープル(カエデ科)※0.60 デンマーク
No22 HB Japanese torreya / Japan カヤ(イチイ科)※0.53 群馬県
No.24 HB Japanese cypress / Japan ヒノキ(ヒノキ科)※0.44 奈良県

当時樹木鉛筆を企画した際に、鉛筆メーカー何社にも依頼したものの材が硬すぎて刃が痛むという理由で断られたそう。
しかし、企画をした株式会社ミネルバの社員のご家族がコーリン鉛筆に勤めている方がいたご縁でコーリン鉛筆にお願いをしたそうです。
通常の鉛筆の材と違って、加工しにくい木材もあるため、途中で刃を何度も替えながら製作したそうで、コーリン鉛筆さんでは利益にならない仕事だったのですが、面白い発想だからと、引き受けてたということです。

オリジナルの樹木鉛筆は入手困難ということで、樹木鉛筆リスペクトな商品として五反田製作所から樹木鉛筆 BOSCOというリプロダクト品が発売されています。

リプロダクト品と言っても1996年発売のオリジナル版を企画した株式会社ミネルバは五反田製作所の宮本茂紀氏が率いていた会社。
つまり、樹木鉛筆BOSCOは正統な後継品であり、正統進化でもあります。
当初300セット限定で発売開始(2015年)をされましたが、後に同じ仕様で再製作をされました。

コーリン鉛筆で製作ができなくなったあと、色々な鉛筆の製作会社(大手から町工場まで)をあたりましたが、どこでも断られてしまい、長く製作不可能な時期が続きました。
現在発売している樹木鉛筆は松井建具という建具屋さんが製造しています。
鉛筆メーカーがどこも断ったものを建具師が作るというのも面白い話です。
内蔵芯は黒鉛芯製造でおなじみのオリエンタル産業製です。

樹木鉛筆 BOSCOは96年のコーリン鉛筆の仕様を踏襲しながらも微妙に異なっている点があります。
使用している樹種は10種類で鉛筆が納められたトレイの材質がイタヤカエデ製。
刻印はコーリン鉛筆の物とは向きが逆で、右利きの方が持つと自然に読める右詰めになっています。

ヒノキ(ヒノキ科)比重:0.43 日本(岐阜) Japanese Cypress / Japan HB 1
ローズウッド(マメ科)比重:0.95 インド Rosewood / India HB 2
ウダイカンバ(カバノキ科)比重:0.67 日本(北海道) Japanese Red Birch / Japan HB 3-
ウォールナット(クルミ科)比重:0.63 北米 Walnut / North America HB 4
ミズナラ(ブナ科)比重:0.67 日本(北海道) Oak / Japan HB 5
マホガニー(センダン科)比重:0.65 ブラジル Mahogany / Brazil HB 6
アフリカンパドック(マメ科)比重:0.80 ギニア African Padauk / Guinea HB 7
ナーラ(マメ科)比重:0.60 フィリピン Narra / Philippines HB 8
チーク(クマツヅラ科)比重:0.63 タイ Teak / Thailand HB 9
ケヤキ(ニレ科)比重:0.58 日本(東京) Japanese Zelkova / Japan HB 10


【五反田製作所】BOSCO 樹木鉛筆
https://jp.590and.co/?pid=155044906

樹木鉛筆



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