視聴覚文芸部入部届

BFC1の抱けぬ身体を朗読します。

抱けぬ身体_01

抱けぬ身体

標準語話せぬ二人夕立へ
アイスコーヒー来ても黙ったままだった
終電を調べたくない夏に入る
する前に夏服ちょっとだけ畳む
眼の他に光るところのない裸
裸にはその時だけの動き方
つなぐ手に重さがなくてみなみかぜ
街に人の速さや新樹並びおり
二重虹十重に二十重に消えてゆく
木下闇「おかけになった電話ばん…」
蜘蛛の囲を払い喪服の人来る
笑わぬと決めて涼しくなりにけり
酒を呉れ特に冷やしたやつを呉れ
もう抱けぬ身体となって泳ぎけり
夏怒涛誰の心音から聴こう


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