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【今週も何とか生き抜いた】vol.15

(4/8〜14)

ヤクルトスワローズへの道

前日までの私

とうとう神宮球場にてひとり野球観戦の日が近づいてきた。
ちょっと緊張しちゃったりしてる。

何故、今、野球なのか、この私が。
野球というスポーツには1ミリも興味も知識もなかった私だが、
「2024年は野球ファンというのをやってみよう!」と心に決めたのだ。
何故、今、野球なのか、この私が。

まぁ私なんて結局チョロいので話は簡単だ。
ああ、そうだよ、大谷翔平だよ。WBCの大谷翔平きっかけで野球を楽しみたいと思っちゃったんだよ。

もともと、メジャーに挑戦した野茂英雄、イチロー、ダルビッシュ有、大谷翔平あたりは、そのパイオニアっぷりと活躍にザックリとではあるが「すごいなぁ、すごいなぁ」と感動していたんだけど、野球自体に興味はないので、ザックリ止まりではあった。そういう人も多いのでは?

それが昨年のWBCで日本がアメリカに勝って優勝、MVPは大谷翔平!というカタルシスに酔いまくった私は、「野球って奥深い!(今更)面白いね!(今更)」となり、日本チームの試合や戦術解説動画、大谷翔平を褒めまくる動画をYouTubeで観まくってた訳よ。チョロさ全開だ。

で、その結果、、、

古田敦也の「フルタの方程式」がバツグンにおもしろいという結果にたどり着く

WBC以外の動画も視聴してたら、古田がノムさん(野村克也)や、当時の黄金時代のヤクルトを語る話がべらぼうに面白い

合間に「砂まみれの名将~野村克也の1140日~」読了

「古田の方程式」の視聴がはかどる(合間にヤクルトOBのYouTube動画視聴)

オススメにヤクルトのマスコットつば九郎が踊っている動画や、トークショーの動画があがってくる

笑う

つば九郎の所業に笑う

つば九郎にハマる(合間に「フルタの方程式」)

自然にヤクルト愛が私の中に育っているとことに気付く
(季節はもう秋)

一度神宮で野球がみたい!と思い立ちシーズン終了直前の試合(既にリーグ5位は決定。しかも中日戦)のチケットを慌てて入手して観戦
試合は負けたが思いのほか「球場で野球を見る」楽しさに感激

日本青年館ホテルのつば九郎ルームに宿泊

来年はつば九郎の所業を追いながらヤクルトを推すことを決意

生まれて初めて野球のファンクラブに入会する

イマココ!

日本青年館のつば九郎ルーム
正気の沙汰ではないくらい素晴らしかった
おおっぴらなサブミリナル効果(違)でつば九郎のファン心理を煽る客室

実は先月、オープン戦もつきあってもらって連れだって観に行ったんだけど、その時は試合中ずっと着座するタイプのシートだったし、外野席のチケットを買った今日が正真正銘の一人観戦デビューなのだ。
緊張する、、、
だって選手の応燕歌を全員分まだ覚えていないのだ。アレ、一緒に歌わないと叱られたりするんだろうか。であれば次回観戦迄には何とかしますので初回に限り許して欲しい。
スワローズファンのみなさん、ぜひ仲良くしてくださいっていうか仲良くしてくれなくてもいいけど拒絶だけはしないで頂きたい!!!
とりあえず、ユニフォーム、応燕用バット(カンフーバットと言うらしい)(スワローズファンは「応援」のことをいちいち「応燕」とか言うの、嫌いじゃないぞ)、応燕ビニール傘、といった観戦グッズはスバっと揃えてきました!

当日の私

という訳で神宮球場に舞い降りた私。
巨人戦です。

晴れた!良かった〜

と言いつつ、実はこの日つば九郎のデビュー30周年をお祝いして「つば九郎もこもこハット」なるものが来場者全員へ配られるとのニュースを聞きつけて、チケット取ってノリノリでやって来たのでした。

めちゃくちゃカワイイでやんす

観客席で観てるみんな、スタンド見渡すと老いも若きも男も女も、このハットかぶっててカワイイそして壮観!

私も自分の座席へつくなり、いっぱしのファンよろしくつば九郎ハットをかぶりユニフォームを羽織った。そして左手を高々と挙げて客席を行き交うビール売りのお姉さんをアイコンタクトで呼び寄せる。完璧。
コレだよコレえ。

ビールが美味しいと思う人生で良かった

ほんとに。ひとりで野球見に来てビール飲んじゃう人生が私に待っていたなんて。人生は本当に不思議。

なんて言ってたらさ。
おい。
負けたじゃないか。
0-5
ダントツの負け。まさかの無得点。

この日の先発は高橋奎二。6回までは無失点で抑えてた。試合の後半、継投し出してから巨人の打線が繋がりだした。
チクショウやっぱ岡本は打つねえ〜、と思ってたら試合終了。
私のソロ観戦デビューは終わった。

でもさ。楽しかった。
これで勝ったらもっと楽しいんだろうことは余裕で想像出来る、くらいに楽しかった。であれば勝って「すわほー」を叫びたい。たとえひとり参戦をしていたとて!!!
巨人の選手のヒーローインタビューを背中に聴きながら、私はスタジアムの外へ出た。

球場周辺ではヤクルトスワローズのグッズショップがそこかしこにあって、みんな(試合に負けたとは言え)楽しそうに選手のネーム入りタオルや球団グッズを買っている。
いや、ほんとみんな楽しそうなのよ。「球場で野球を観る」って人をこういう気持ちにさせるんだな、と人生で初めての発見。長生きはするもんだ。

試合終わりの外苑前駅までの道は道も狭いし駅も小さい。人で埋まりまくっていて、こりゃ真夏はきっと汗だくなんだろうなぁーと思いつつ、青山一丁目駅まで歩いて電車に乗って帰宅した。

疲れたけど(そして何度も言うけど負けたけど)すごい充実感だ。
ひとり観戦自体は、これからはもっとカジュアルな気持ち行けるはず。
そして私もファンとして成長するのだ。応援にも気合いを入れて球場グルメも楽しんで、選手の一挙一動に興奮して、試合の流れに一喜一憂しつつ、監督の采配の妙に感激したり驚愕したり、そういうファンに私はなりたい。
頑張るぞ。
頑張りたい。
頑張るので関係者の皆さん宜しくお願いします!!!

後日その日の出来事や風景を思い出し反芻している私

2024年は「野球ファンになる」と決めて、スワローズの試合結果を毎日手帳に書き込んで、一軍選手の怪我離脱などに心を痛めたりしてたけど、やっぱり試合生観戦ってすごい体験なんだなと改めて思う。

私が座っていたのは外野の席だったけど、隣には小学生の男の子とその両親らしき大人が座っていた。
そうか、ここは家族で来れるところなんだよなと今更ながらに感じ入ったりして、こういう文化を知らなかった私はいちいち感動しちゃうのだ。
私の隣にいた、ブカブカのユニフォームを着て叫んでいた男の子が
「勝利を呼び込む一振りで 皆の夢を掴み取れえええ!!!  」
「ゴーゴーレッツゴー!ミンゴ!」
と、力の限りの甲高い声で歌っているので、歌詞をちゃんと聞き取れたことと、こんなに応燕してもらう選手の幸せを思って、実は私は何度も泣きそうになった。
その一振りが「皆の夢」とな!なんて壮大な想いを選手は背負っていることだろうかしら!!!

バッター・ミンゴ(サンタナ選手の愛称らしい)が空振りして三振に倒れた瞬間、「ああーっ」と大声でため息を漏らす男の子。
隣りに座っているお母さんが
「そんな風に言わないのよ、◯◯◯(もちろんその男の子の名前だ)だってあんな風に三振することあるでしょう?」
と嗜める。
そんなお母さんを見てみれば、彼女もガッツリとユニフォームを来て応援グッズを手にしたガチ勢なのでした。
そうか。この男の子、プレイヤーとしても家族としてもファンとしても、今まさに成長しているんだね。

いつか、この男の子が大きくなって大人になって、この日のことを思い出すんだろうか。
「小さい頃、よく両親と神宮行ったなぁ。選手にブーイングしたら母親に叱られたりしてさ。でもあの時はマジで悔しかったんだよ。今ならあの母親の気持ちも分かるけどね」
とか後輩サラリーマンを前に焼酎のソーダ割り飲んだりしてさ。
いい話だ。

私の席から後方を仰ぎ見ると、私設応援団の方たちも大きな旗を振っていて、あれもどんなに体力が要ることだろうと思う。
笛や楽器を選手に届いてくれと祈りを込めながら、大音量を届けている人もいる。スワローズの攻撃の場面になると、皆立ち上がって本当に大声で叫んでるし歌っているのだ。
「勝つぞ、勝つぞ、スワローズ!」
それが無得点下の8回裏だろうと構わない。
野球は最後まで試合の行方は分からないのだ。スリーアウトになるまではドカンとこの点差をひっくり返してくれると信じてる!応燕頑張るから、お願い!打って!打ってくれ!
プロ野球ファンの純粋な熱量を思って何だか私は身体を熱くしていた。
野球のゲームじゃなくて、ファンの姿でこんな気持ちになるとは本末転倒も甚だしい。でもこれが私が体感したリアルなのだ。

観客席には、仕事で落ち込むことがあって憂さ晴らしに試合に来てる人もいるかも知れない(私のビビリ具合なんて笑っちゃうくらい、ひとり観戦してる人多かった)。
推しの選手を観に女の子数人でやって来てるグループもいるだろうし、何かの事情でその日が最後の神宮野球観戦、という方もいるかも知れない。
以前の私のイメージにあった、ゴキゲンにお酒を飲んでちょっと口悪く檄を飛ばす中年オッサングループもちゃんといた。もっと酷いヤジを飛ばす態度の悪い人もいるかも知れない。
色んなところから色んな人が、チームの勝利を観たくて、チームの勝利を信じて神宮球場に集まって来る。その熱量たるや。

BIG BOSS 新庄が、選手時代に「球場へ来てくれる人のことはお客さんと呼ぶのではなくファンと呼んでいる」と言っていたのを思いだして、彼はひたすらに正しかったことを今更ながらに思い知る。

他の球団だってそれぞれにファンがいてそれぞれの球団を懸命に応援しているんだものね。
すごかったもの、巨人の応援してた皆さんも。手首もげるんじゃないかっていうくらいオレンジ色のタオルぶん回していたし、選手の応援歌を歌う声は地鳴りのような響きだった。
野球ファンなりたての私からしたら、だからこれもまたスゴイ話なのよ、と思う。
春から秋にかけて信じられない長いシーズンを、それぞれのチームの選手とファンが膨大な試合を経験して行くわけでしょ、めちゃくちゃ尊いじゃないか。
そんなチームや自分を鼓舞して暮らす生き方を、皆さん、何十年もやってらしてたの!!!

こういうスポーツだったんですね、野球って。
「野球を観に行く」という文化。
いいね。分厚いね。相当だね。

よく個性派弱小野球チームが紆余曲折を経ながらどんどん強くなるドラマあるけど、もうそんなのじゃなくてさ、ファンの物語作りなよ。
あるはずだよ、そこには無数のドラマが。
現役のチームの現役選手の名前とかバンバン出して、チームの勝敗や選手の活躍に翻弄されつつイキイキと人生を送るファンのドラマをさ、私は見てみたいよ!
主人公の応援するチームがリーグ優勝を果たし、日本シリーズに進出し、3勝ずつして明日が日本一が決まる最終戦前夜のタイミングが最終回のドラマとかめちゃくちゃオシャレじゃないか?

それにしても私、たった一回の「ひとり観戦」でこんなに鼻息荒くなってて大丈夫なんだろうか。
まだまだ、スワローズファン・ロードに足を踏み入れたばかりだというのに。
2024年シーズンははじまったばかり。
キャプテン山田哲人の復活も待ち遠しい。頑張れヤクルトスワローズ!

ノムさんを知りたくなった時、ヤクルト監督時代の本ではなくではなく、シダックス時代の本を読む我ながら謎のセンス(面白かったです)



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