彷蜃斎

平野芳信と申します。リタイアしたので、彷蜃斎を名乗ることにしました。

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  • ホウシン・トーク

    折々の印象を語ります。

  • 彷蜃斎年金覚書

    年金生活初心者の彷蜃斎が、どのようにして年金を受給するに至ったかを、日記風に綴ることで、これから年金受給が近づいた方から、年金って何という若い方にも、この国で一体何が起こっているのかを知っていただく一助になればと思いまう。

  • ドラマ・コラム

    印象に残ったドラマについて、私見を綴りたいと思います。

  • 村上春樹読本

    村上春樹さんの作品について、あるときは軽快に、あるときはやや重く、個人的な意見を述べていきたいと思います。

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鮭とあと3回とコロナ

彷蜃庵にようこそ!  彷蜃斎です。ついこの間、引退したのを機に名を改め、ここに彷蜃庵を開くことにしました。別に文人を気取っているわけではありません。新しい名の由来等については別の機会に譲るとして、記念すべき第一回目の投稿の枕ネタは「映画」から始めたいと思います。  なんとなく気になって録画していた、『砂漠でサーモン・フィッシング』という映画を観ました。九州のTNCという放送局が、ときどき、週末の深夜に秀作映画を流すのでチェックしているのですが、この映画は監督が『ギルバート

    • 韓国ドラマ「浪漫ドクター キム・サブ」のシーズン2、第10話まで視聴。偶然第1シーズンに出会い、興味深かったので2を観始めましたが、1に劣らずの内容で、我慢できず、称賛の投稿を試みました。設定がやや極端ですが、その分、問題提起が明確です。

      • クドカンの「季節のない街」第3回までを視聴。原作が山本周五郎の同名小説であることも知らず、黒澤明の「どですかでん」だと思いこんでいた物知らずを恥じ入ります。さらに、森繁久彌や伴淳三郎が出演したテレビドラマもあったようですが、森繁、伴淳をそれぞれ誰が演じているかは、一目瞭然です。

        • 最近、「タイムトラベルもの」って多くないですか?

           遅ればせながら、『不適切にもほどがある!』を観はじめて、出演している仲里依紗のデビュー作『時をかける少女』を思い出し、ついで、そういえば最近「タイムトラベルもの」が目につくことに気がつきました。  「タイムトラベルもの」といっても、いわゆる「タイムマシン」がでてくるものから、それなしに「タイムリープ」するものや「タイムループ」に囚われたりするものというように、バリエーションがあります。  昨今のはやりはマシンを使わない「リープ(跳躍)」が中心のような気がします。これは、明ら

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        鮭とあと3回とコロナ

        • 韓国ドラマ「浪漫ドクター キム・サブ」のシーズン2、第10話まで視聴。偶然第1シーズンに出会い、興味深かったので2を観始めましたが、1に劣らずの内容で、我慢できず、称賛の投稿を試みました。設定がやや極端ですが、その分、問題提起が明確です。

        • クドカンの「季節のない街」第3回までを視聴。原作が山本周五郎の同名小説であることも知らず、黒澤明の「どですかでん」だと思いこんでいた物知らずを恥じ入ります。さらに、森繁久彌や伴淳三郎が出演したテレビドラマもあったようですが、森繁、伴淳をそれぞれ誰が演じているかは、一目瞭然です。

        • 最近、「タイムトラベルもの」って多くないですか?

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          映画「善き人のためのソナタ」を観終った直後です。もっと早く観るべきだったとしか言いようのない作品でした。芸術の力を改めて認識した次第です。今はこれ以上の言葉が出てきません。

          映画「善き人のためのソナタ」を観終った直後です。もっと早く観るべきだったとしか言いようのない作品でした。芸術の力を改めて認識した次第です。今はこれ以上の言葉が出てきません。

          パーフェクトデイズ考

           映画『パーフェクトデイズ』について、少し私見を述べたいと思います。これまで、 このプラットフォームでは「です・ます調」を 採用してきましたが、それでは刃こぼれしてしまうような気がしますので、今回は「である・だった調」を使用したいと思います。 それから、ネタバレを恐れず記しますので、映画を未見の方は、映画をご覧になってから読んでくださることを望みます。  昨日、妻に誘われて『パーフェクトデイズ』を観てきた。私が居住する山口市には映画館そのものが10年以上前に消滅しているので

          パーフェクトデイズ考

          3月22日放送の「葬送のフリーレン」は、コミュニケーションの本質を描いたエピーソードでしたかね。理解しようとする姿勢と直覚の正しさとでも、まとめることができるでしょうか!?

          3月22日放送の「葬送のフリーレン」は、コミュニケーションの本質を描いたエピーソードでしたかね。理解しようとする姿勢と直覚の正しさとでも、まとめることができるでしょうか!?

          映画『パーフェクトデイズ』を観てきました。なぜか、私小説の読後感に近似した印象をもちました。これは筆者の持論の一つですが、映画は主演の俳優だけではなく、脇役のキャスティングが作品の成否を分けると改めて感じた次第です。順位をつけるつもりはありませんが、三浦友和の演技が良かったです。

          映画『パーフェクトデイズ』を観てきました。なぜか、私小説の読後感に近似した印象をもちました。これは筆者の持論の一つですが、映画は主演の俳優だけではなく、脇役のキャスティングが作品の成否を分けると改めて感じた次第です。順位をつけるつもりはありませんが、三浦友和の演技が良かったです。

          春樹と人称

           ごくごく大雑把にいって、それまで一人称でしか小説が書かなった(けなかった?)村上春樹という作家が、ある種、満を持して三人称を採用して執筆した作品集『神の子どもたちはみな踊る』とそれ以降の作品が、一体何人称で書かれていあるのかを、まず一覧しておきたいと思います。 連作短篇集『神の子どもたちはみな踊る』《2000年2月》   UFOが釧路に降りる(三人称?)   アイロンのある風景(三人称?)   神の子どもたちはみな踊る(三人称?)   タイランド(三人称)   かえるくん

          春樹と人称

          《シン・コタツ小説 市川沙央『ハンチバック』を読むための一助として》

          本当にお久し振りです。衝撃を受けた小説『ハンチバック』を読む際に、必要と思われる補注一覧のようなものを作成しました。稀に見る秀作であるこの小説を読むうえで、何らかの助けになれば幸いです。 ◎<div>(初出[文學界、2023・5]:13頁上段4行目、単行本[2023・6]:3頁4行目)︙「divisionn(分割)」の略。HTMLタグの一つで、コンテンツを分割し、グループ化という意味。 ◎WordPress(初:11頁上段最終行、単:7頁7行目)︙ウェブサイトを構築し管理

          《シン・コタツ小説 市川沙央『ハンチバック』を読むための一助として》

          抱腹絶倒 篠田節子『天使の分け前』

           いやあ、本当に久しぶりの投稿です。  このところ、様々な出来事があって、中々投稿できないでおりました。その一番の理由は、何を読んでも面白くなかったからなのです。ひょっとしたら、痴呆がすでに始まっていて、自身の感受性が衰弱し始めているのかと疑うほどでした。   そんな中で、篠田節子さんの『天使の分け前』は、久々に没頭できる作品でした。いますこし、彷蜃斎の感性は大丈夫かもしれません。  完全ネタバレを恐れて、微妙にズラして記しますが、舞台は二十年ぶりのフランス主催のサミット席上

          抱腹絶倒 篠田節子『天使の分け前』

          S.W.A.T.「シーズン2 第11話 学校」は、銃乱射事件を扱った秀逸な作品でした。ただ単に、病んだアメリカの闇だけではなく、「学校」という抑圧装置の世界的(普遍的)な問題を抉り出しています。

          S.W.A.T.「シーズン2 第11話 学校」は、銃乱射事件を扱った秀逸な作品でした。ただ単に、病んだアメリカの闇だけではなく、「学校」という抑圧装置の世界的(普遍的)な問題を抉り出しています。

          ヴァイオレット・エヴァーガーデンと《最初の夫の死ぬ物語》

           年金生活者にはありがたいことに、二件ほどの仕事にありつき、そちらに手をとられていまして、久しぶりの投稿です。彷蜃斎です。  京都アニメーション制作の『 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を観ました。驚いたことにこの作品もまた《最初の夫の死ぬ物語》になっていたのです。《最初の夫の死ぬ物語》といっても、ほとんどの方は???でしょう。  実は彷蜃斎は現役時代、『最初の夫の死ぬ物語』という書籍を出したことがあり、その中で提唱し、論じていたテーマなのですが、要するに、女性が最初の夫

          ヴァイオレット・エヴァーガーデンと《最初の夫の死ぬ物語》

          沢木耕太郎「長距離ランナーの遺書」

           沢木耕太郎さんの『敗れざる者たち』に収められた「直距離ランナーの遺書」を読みました。昭和39年の東京オリンピック・マラソン競技で、銅メダルに輝いた円谷幸吉選手が、次のメキシコ大会直前の昭和43年の年明け早々に、自裁した際に残した〈遺書〉に纏わる沢木節炸裂の名ドキュメンタリーです。  はるか昔、フィクションばかり読んでいた私に衝撃を与えた沢木節を、さらにいうなら、このタイミングでなぜこの作品を読みたくなったのかは説明する必要がないと思います。  まず、円谷選手の遺書を引用

          沢木耕太郎「長距離ランナーの遺書」

          映画『命の停車場』を観てきました。ネット上では、種々違和感等を覚えた方からの投稿もあるようですが、個人的には、適材適所のキャスティングで、上質の作品だったという感想です。この世とは、長くて100年間のまさに〈命の停車場〉なのだと痛感した次第です。

          映画『命の停車場』を観てきました。ネット上では、種々違和感等を覚えた方からの投稿もあるようですが、個人的には、適材適所のキャスティングで、上質の作品だったという感想です。この世とは、長くて100年間のまさに〈命の停車場〉なのだと痛感した次第です。

          暗幕のゲルニカ

           原田マハさんの『暗幕のゲルニカ』は圧倒的な小説でした。物語は1937年から1945年にかけての20世紀篇と2001年から2003年にかけての21世紀篇が、いわばメーリーゴーラウンドのように交互に立ち現れるように描かれます。  20世紀篇の主要登場人物は、大雑把にパブロ・ピカソ、ドラ・マール、 パルド・イグナシオで、21世紀篇のそれはヨーコ・ヤガミ(八神瑤子)、ルース・ロックフェラー、パルド・イグナシオといって差し支えないでしょう。  もう少し説明すると20世紀篇は193

          暗幕のゲルニカ