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SDA王滝100km④ レース当日(前編)

〜レース前夜〜

【レース前夜】
レース前日に泊まった民宿には、エアコンがない。例年通りの気温であれば日中でもエアコンは不要だと思うが、今年は地球が沸騰していると言われるほど、世界的に熱波が凄い。夕方になっても、部屋の中は少し蒸す。
外に出ると涼しく快適なのだが…

部屋の窓ガラスを全開にして、内側の障子を少しだけ開けて就寝した。この2日間の平均睡眠時間は4時間だ。今夜は5時間以上は寝たい。
夜中?の3時には起床する予定で、9時前後に寝落ちした。

理由もなく目が覚める。
嫌な予感がする。
時計で時刻を確認すると深夜0時だ。
焦る。
まだ3時間しか寝ていない。
寝不足でガレ場100kmを完走する自信は、今の俺にはない(テンションが上がってきたので「私」から「俺」に変わってきている😆)。

1時間ほど布団の中でもがくが、寝れない。
寝るのを諦めた。

無人のフロントに鍵を置いて、民宿を後にする。

〜道の駅〜

【道の駅三岳】
王滝村の入口に(木曽町だけど)、道の駅がある。この道の駅はトイレが綺麗なので好きだ。
会場に到着する前に、この道の駅に寄ることにしていた。
しかし、なんと…
車中泊の車で駐車場が満車だ🈵
まだ、2時前だが、会場を目指すことにする。

ここの道の駅のトイレは最高👍

〜会場に到着〜

【夜中の会場】
深夜に目が覚めたのは、興奮していたこともあるが、4時会場到着では場所取りに間に合わないのでは?という不安があったことも理由のひとつだ。

3時に会場到着。
駐車場には、まだ余裕があった。
4時まで仮眠することにする。
しかし、その後も2,3分おきに車が駐車場に進入してくる。眠たいが眠れない。
そういえば、事前の調べで便所がすごい混むことを思い出した。
「混む前に減量してくるか!」
まだ、3時40分頃だが、仮設トイレには10人以上並んでいる。
すると、ここでジュンさんと接触。
連絡を取り合っていたので、お互い会場入りしていたのは知っていた。
しかし、まだ、4時前なのに周囲が騒がしい。
場所取りは4時30分からのはず。
トイレを済ませて、ジュンさんと場所取りエリアに向かうと、すでに200台以上のMTBがコース脇に放置されている。
「なんだこれ?これが場所取り前の場所取りか?これまで何回もレースに出場したことあるけど、こんなの初めてだわ💦」

「場所取り」前の場所取りを撮影したもの

4時30分が近づくにつれ、今度は人が密集し始める。
いよいよ場所取りが始まる。我々の前にはバイクが2台あるが、4時28分になっても選手が現れない。彼らのMTBが邪魔なので、少し前に割り込ませてもらった。
場所取りのカウントダウンが始まった。
「なにこれ?スタートの合図でもないのにテンカウントしてるぞ😆」
0の号令で、全員一斉にコースイン。
スムーズに場所取りができた。
この後は6時までゆっくり準備をする。

したくなってからでは漏らす。トイレ待ち20分
キチガイ共の隊列

場所取りが終わった直後の感想は、「このレースの参加者は俺を含め全員狂ってる💦どう考えても参加者のほとんどが、寝不足ではないのか?😵‍💫」
それと思ったのが「会場での車中泊は正解だ」ということ。どうせ興奮して寝れないなら、前日に車中泊、当日に後泊がベターな選択だわ😇

興奮して眠れない…というのが笑えるよね〜
もう自分は、アラフィフです。「この歳になっても興奮できる趣味があるって、素晴らしいなぁ」と自分に言い聞かせる(暗示に近いけどね♨️)

〜スタート前〜

【スタート準備】
いよいよレーススタートだ。
ジュンさんと一緒にスタート地点で並ぶ。ジュンさんの装備が凄い。リュック&サコッシュを携行している💦重装備だ😱

リュックとサコッシュでフル装備のジュンさん

「ジュンさん、荷物多すぎじゃない?」と私が尋ねると、「うーん、前回のピークスでハンガーノックになったので、計算して5,000カロリーの補給食を用意したんだ〜」
5,000カロリーって、ツールドフランスなみの消費カロリーではないか💦
しかし、我々2人はSDA王滝は初体験。消費カロリーは人によって変わってくる。ゴールまで何時間がかかるか、どのくらいの負荷でペダルを踏むのか、それによって消費するカロリーは大きく変化する。
ハンガーノックは、パンクするよりキツイ。このレースでのハンガーノックは致命的だ。確かに用心に越したことはない。
自分は約2,000カロリー分の補給食を携行しているが、少し不安になる😅

スタート地点から最後尾までは、100m以上はあるだろうか。
最初の4キロはローリングスタートだ。事前にオーさんからは、「ローリングスタートで、後方から追い越してくる選手がいるが、パレード終了地点までは、ずっと登り坂だからゆっくり走った方が良いよ❗️」とアドバイスをもらっていた。
そのオーさんは、駐車場の車中泊組で、スタートポジションも我々より前だ。
それと前日のファンライドで、チャンプが「レースの終盤までは本気で踏まず、脚を貯めておくのがクロスカントリーのコツ」と言っていたのを思い出す。
両者の言葉を思い出したのだが…

写真左上の旗がスタート地点。これでも私は前の方です。

〜レーススタート〜

【パレードスタート】
6時になった。総勢約750人(120km組を合わせると800人)が一斉にスタートする。
前に先導車が付き(私の位置からでは見えないが)、一気に隊列が伸びる。
「先頭と最後尾では、1kmくらい隊列が伸びているのではないか?」
そのくらい、列が長い❗️
スタート地点の松原スポーツ公園からパレード終了地点までは、アスファルトの公道だ。
先日のツールド北海道の事故を思い出す。
でも、このレース、スタート前には王滝村長が挨拶に来ているし、村民の人口は1,000人未満で、このイベントの参加者より少ない。
まぁ、安全だろ

松原スポーツ公園を出てから登りが続く。
1km走ったところで、「車〜❗️ブレーキ〜‼️」と前方の選手達が叫んでいる。
「あら?この時間帯、しかもこのルートを車が走っている。どうしたんだろ⁉️」
車は、川を逆流するように流れてくるMTBの波に飲み込まれ停車した。ナンバープレートを確認すると「岐阜ナンバー」だった。
ドライバーは、びっくりしただろうな🙄
後ろをチラ見すると、最後尾は全く見えない。この車は、しばらく、ここで停車だな💦

登り坂が続く、まだ路面はアスファルトだが、少しずつコンディションは悪くなっている。普段、人が走らない道路なので、整備されていない。いよいよSDAかと思うと、アドレナリンが湧いてくる😆

自分はパワーメーター依存症なので、MTB初心者なのにパワメを装着している。今の出力を確認すると220w前後だ。
この1年、ベスト体重から5キロ増量してからは坂が重い。でもこの出力ならテンポレベルだ。
後ろからはバンバン抜かされている。久しぶりのレースなので、とうとうアドレナリンが全開となってしまった❗️
当初の「テンポ以下でペダリング」作戦を早速放棄し、280w前後で踏み始める。
ここでジュンさんとはお別れ👋🏼
すいすい〜と前の選手を抜かす。

【知り合いとの遭遇】
前方にオーさんを発見。
「オーさん、お疲れ様〜、やっぱり前半はパワーはセーブしてるの?」
「ここで踏んだら後半持たないから、ここは我慢だね〜」
ベテラン組が何度も貴重なアドバイスをくれているのに、アドレナリン全開の私はさらにペダルを踏み続けて前に行く😆

次にエントリーリストで参加を知った、チームOHのSさんを発見。この辺にいるってことは、このレースの常連組だなぁ〜
「Sさん、ご無沙汰です。〇〇市の五郎兵衛です。」と挨拶をした。
びっくりしたようだ。ストラバは相互フォローしている。以前、彼が所属する(ロードバイクの)チーム練にゲストで参加したことがあるが、対面するのはそれ以来、2年ぶりか?😊
彼は、このMTB100kmと翌日のダートマラソン(42kmフルマラソンです💦)にダブルエントリーするほどの猛者だ。見た感じ、ペダリングは軽く、オーさんと同様にパワーを抑えているように見える。
でも、俺ちゃんのアドレナリンは止まらない‼️
Sさんと1分ほど雑談すると、お先に失礼します〜
と先に進んだ😆

パレード終了地点に到着する頃には、隊列も崩壊して、私の周囲は4,5人の集団となる。

とうとう自己表現が、私→自分→俺→俺ちゃんの最終系に変化した。
いよいよペンにも熱がこもる😎

つづく


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