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コミュニケーションの第一歩。Ps-fを開いてもらうには。(第4章候補)

第3章候補の残りに続き、第4章候補も書きましたので公開します。

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第4章 コミュニケーションの第一歩。Ps-fを開いてもらうには。

コミュニケーションが成立する最低条件は、相手にPs−fを開いてもらうことです。
相手がPs−fを閉じていては、コミュニケーションは成立しません。

まずは、あなたがPs−fを開く・開いても良いと感じるのはどんなときでしょうか。
次の2つの場面を想像してみてください。

A.街で見ず知らずの人から声をかけられたとき。
B.いつも一緒に食事をしている職場の同僚とランチをしているとき。

あなたは、どちらの場面であなたのPs−fを開く・開いても良いと感じるでしょうか。
私の推測が間違っていなえれば、AよりBの方がPs−fを開こうと思えるのではないでしょうか。

この違いは何から生まれているのでしょうか。
A.では、相手がどんな人なのか分からない状況です。
相手が何を求めているのか、自分が何かを言ったらどんな反応をするのか、全く予想できない状況です。
つまりは、少なからず恐怖感があります。

B.では、職場の同僚でもあり、いつも一緒に食事をしている間柄なので、ある程度どんな人かは分かっていますし、共通の話題もあります。自分が何かを言ったらどんな反応をするのかも、だいたい想像できます。
つまりは、少なからず安心感があります。

という違いがあります。ここがポイントです。
恐怖感があれば、Ps−fを開けても良いとは感じないし、開けることもありません。
安心感があれば、Ps−fを開けても良いと感じやすく、実際に開けることもあります。

言い換えると、心理的に安心・安全を感じるとPs−fを開ける・開けても良いと感じるということになります。

では、相手に心理的安心・安全を感じてもらうためにはどうしたら良いのでしょうか。
それは、「私はあなたとこれだけの共通点・類似点があります。」というメッセージを伝えることです。
共通点・類似点が多ければ多いほど、安心・安全を感じやすいですからね。
相違点ばかりではそうはいきません。

このことがよく分かる経験をあなたもしたことがあるのではないでしょうか。
初対面の人と、「母校が一緒。」「出身地が近い。」「共通の知り合いがいる。」「趣味が同じ。」などが分かった途端に親近感を覚えて、話が盛り上がるという現象です。
共通点・類似点が見つかる→安心・安全を感じる→Ps−fを開く→話が盛り上がる、という流れです。

ただここで気になることが表れるでしょう。
相手と共通点・類似点が見つかれば良いけれど、見つからなかった場合はどうしたら良いのか? ということです。
共通点・類似点を捏造しても簡単にバレてしまいます。
こんなときにはどうしたら良いのか。

大丈夫です。安心してください。
こんなときでも、その場で目の前の相手と共通点・類似点を作っていく方法があります。

それが、次の3つの方法
1.目に見える部分を同調するミラーリング
2.ペースを同調するペーシング
3.言葉を同調するバックトラッキング
です。

これらの方法は、初対面の人同士が親しくなっていく過程で、意識的にも無意識的にも使っている方法です。
そして、親しくなったあとも使っているのです。
なので、その場で共通点・類似点を作っていく方法だからと見くびらないでください。
もともとお互いが持っていた共通点・類似点と同じくらい親近感を得ることができる方法です。
その方法を意識的に使いましょうということです。

それでは、1つずつ詳しく説明していきましょう。

1.目に見える部分を同調するミラーリング

相手の姿勢や動きなど、見た目で分かる部分を写し鏡・ミラーのように同調する方法です。
1対1で話をしているのであれば、
・相手と同じように座ってみる。
 相手が椅子に浅く座っているなら浅めに、深く座っているなら深めに座ってみる。
・相手がお茶を飲むタイミングに合わせて、自分もお茶に口を付けてみる。
・相手が顔を掻いたら、自分も手を顔に近づけてみる。
などです。

ちなみに、「〇〇する。」ではなく、「〇〇してみる。」と表現しているのは、あくまでも「試しにやってみる。」ということだからです。
どんな相手にも、どんなときにでも通用する、絶対的な正解はありません。
目の前にいる相手の様子を観察しながら、相手にPs−fを開いてもらえるように試してみて、結果を観察して、工夫・改善していくことだからです。

ミラーリングは、まったく同じ姿勢・同じ動きをしなくても大丈夫です。
すべての姿勢や動きに同調する必要もありません。
相手より少し動きを控えめに、小さめにしてみたり、少しタイミングを遅らせてみたりするのもありです。
最初は慣れていないことだと思いますので、ぎこちなくなってしまったり、「不自然かな」と思ったり、「わざとらしいと思われているのでは」と感じたりするかもしれません。
相手に不審がられているようなら、一旦止めてみた方が良いかもしれません。
大事なのは、自分にとって自然なのか、不自然なのかではなく、相手にPs−fを開いても良いと思ってもらうことです。
いろいろ試してみてください。

はじめは相手の動きに同調するために観察していたはずなのに、いつの間にか無意識に同じような動き・姿勢になっていることに気がつくことになりますよ。
それが、うまくいっている証拠です。

2.ペースを同調するペーシング

相手の話すスピードや考えるペース、声の大きさや高さ・声質・抑揚、呼吸などに同調する方法です。
相手の話すスピードや考えるペースがゆっくりなら、あなたも相手のペースに合わせてゆっくり話してみます。
相手のペースが速いなら、あなたも相手のペースに合わせて速く話してみます。
相槌のペースや大きさ、回数も合わせてみる。
ということです。

特に、呼吸を合わせるのが、とても強力です。
相手がお茶を飲むのに合わせるのは、ミラーリングにもなりますし、呼吸を合わせることにもなります。

ちなみに、漫才の最初に「つかみ」という部分がありますが、早い段階で観客を笑わせることで、客席全体の呼吸を自分たちの呼吸に合わせているという説があります。
「つかみ」がうまく行けば、その場の主導権を得ることになり、本ネタの話が伝わりやすくなって、結局ウケが良くなるというのです。
親しく、相性が良い間柄を「息が合う。」と表現することがあるくらいですから、呼吸をあわせることは大事なんですね。

3.言葉を同調するバックトラッキング

相手が使う(使った)言葉に同調する方法です。
バックトラッキングとは、「同じ道を通って帰る。」という意味のバックトラック(=”backtrack”)から、相手の使った言葉を同じように返して同調するということです。

例えば、次のような会話です。
A:「昨日、プロ野球のゲームを球場で見てきたんですよ。」
B:「プロ野球を、球場でね〜。いいですね。」
A:「屋外だったので、風が気持ち良かったですよ。」
B:「それは気持ち良かったでしょうね〜。」
というような感じです。

相手の「プロ野球」と「球場」という言葉を使って返答しています。
こうすることで、「あなたの話を聞いていますよ。」というメッセージが伝わります。
自分の話を聞いてもらえていることが分かれば、安心感が増すので効果的です。

ここでもし、
B':「プロ野球を、スタジアムでね〜。」
と「球場」を「スタジアム」に変えてしまうと、ちょっとした違和感を与えてしまうこともあります。
この程度の会話ならば、違和感を与えてしまったとしてもそれほど大きな問題になることはないと思います。
が、場合によっては、その小さな違和感の積み重ねが不信感を招き、信頼関係の構築に失敗してしまうというオオゴトになってしまうこともあります。

バックトラッキングのコツがあります。
ただ言葉を繰り返すだけでも効果はありますが、感情を表す言葉を繰り返すとより効果的です。
先ほどの会話の例では、Aの「風が気持ちよかった。」に対する、Bの「それは気持ち良かったでしょうね。」がこれに当たります。
「話を聞いてくれている。」というメッセージに加えて、「気持ちを分かってくれた(分かち合えた)。」も伝わるからです。

あと、相手がよく分からない言葉を使ったときやもっと詳しい話を聞きたいときに、相手が使った言葉を使いつつ質問をすれば、それもバックトラッキングになります。
質問をするということは、「話を聞いている」だけでなく、「しっかり理解しようとしている」というメッセージにもなります。
より相手に安心感を持ってもらうことができます。
そして、質問することは相槌にもなります。
ペーシングとして紹介した相槌ですが、いろんなパターンの相槌をしても、それだけでは単調になってしまいがちです。
そんなときは、相手の言葉を使って質問をすることも有用です。

相手は、質問をされているので、話を続けやすくなります。
相手が話したいツボを質問できれば、話はより盛り上がります。
「あなたの話に興味がありますよ。」のメッセージにもなります。
自分の話に興味を持ってくれている相手には、Ps−fを開きやすくなりますよね。

以上の3つの方法を用いて、効果的に相手のPs−fを開いてもらってコミュニケーションができる関係性を素早く作り上げられるようになると良いですね。

↑ここまで↑

3,754文字でした。合計:19,887文字になりました。
これで、目安である2万文字を気にして、無駄に増量するようなことを考える必要がなくなった。良かった。

ということで、引き続き執筆を続けていきます。
応援よろしくお願いします。


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