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【鬼滅の刃】我妻善逸の回想『幸せを入れる箱』

どーも。
人生にもっと余白を。

ねこのてのヒロと申します。

昨年とんでもなくヒットしちゃった漫画といえば、ご存知『鬼滅の刃』ですね。

もちろん、今現在もヒット中だし、まだまだこれからの展開も楽しみだと思います。

ボクはたとえ漫画本でも感想や考察をつい考えちゃうような、ひかえめに言って「変態的」読書家です。

というわけで本日は、コミックスの『鬼滅の刃』17巻より、吾妻善逸(あがつまぜんいつ)が兄弟子の獪岳(かいがく)と闘う中で回想したシーンを読んで考えついたことを、ここに書いてみたいと思います。

※今回の記事はアニメでは未公開のシーンであり、ネタバレを含みます。コミックスで最後まで読んだという方のみ、読み進めてください。

◆善逸の回想シーンでの思い

まずは善逸の回想シーンについて思い出してもらいたいのですが、ボクが気になったのはこの後の、

「どんな時もアンタからは不満の音がしていた」

という所です。

「心の中の幸せを入れる箱に穴が空いてるんだ」

「どんどん幸せが零(こぼ)れていく」

「その穴に早く気づいて塞がなきゃ満たされることはない」

この「幸せを入れる箱」というものが作中では描かれているのですが、立方体の箱の下の一角が欠けていて、そこから幸せの粒のようなものがこぼれている様子が表現されています。

最初に読んだ時から、このシーンには、なんか違和感があったんです。

それで何度か読み返したときにボクが思ったのは、

「これ、獪岳(かいがく)だけに限った話じゃないよね?」

ってことでした。

◆幸せを入れる箱は満たされない

みなさんにも考えてもらいたいんですが、このシーンでは我妻善逸が兄弟子の獪岳に対して、まるで「幸せを入れる箱に穴が空いている」のは、獪岳に特有の状態であるかのように語っています。

しかし、これ、なにも獪岳特有なことではないとボクは思うんですよね。

ボクやあなたを含むすべての人類、いや、それどころか、生物であれば例外なく備わっている、むしろ生存のための機構ではないでしょうか。

考えてみるまでもなく、ボクらの幸せな気持ちって、ずっと続いた試しがないと思いませんか?

美味しい食事に高級な車、理想の住まい、家族や恋人との楽しい時間。

どんな幸せもすべて一過性であり、気がつけば幸せはどこかへ過ぎ去っています。

むしろ幸せからのギャップが大きすぎて、すぐにまた幸せを求めたくなり、その繰り返しに、ふと虚しくなることすらありますよね。

どうですか?

みんながみんな、幸せを入れる箱に穴が空いている。
そう思うのは、ボクだけではないでしょう。

◆お釈迦さんはこれに気づいていた

「幸せを入れる箱には、穴が空いている」

これにいち早く気づいたのがブッダ、つまりお釈迦さまだったのではないか、と思っています。

「急に話ぶっ飛んだな」と思った人、正解です(笑)

なぜ、お釈迦さまなのか。

それは、この「幸せの箱に穴が空いている問題」を最初に解決しようと四苦八苦したのが、ほかでもないお釈迦さまではないかと思ったからなんです。

もし幸せの箱に穴が空いているとしたら、あなたならどうしますか?

ボクは以下の4つの方法を考えつきました。

【Aパターン】
幸せの箱の穴を塞いでしまえば、ゆっくりでも幸せの箱はいっぱいになるはずだ!
だから塞いでしまおう!
【Bパターン】
幸せの箱から漏れていく幸せの量よりも、たくさんの幸せを次々に注いで、常に溢れさせておけばずっと幸せなはずだ!
とにかく幸せをもっと注ぎ込もう!
【Cパターン】
いっそ幸せじゃなくたって耐えられるほどの強靭な肉体と精神力をつけよう!
不幸にも耐えられるような鋼の強さを手に入れよう。
忍耐力で乗り越えよう!
【Dパターン】
幸せの箱のサイズを小さくしてしまおう。
穴自体はどうにもできないけど、小さい分だけ少ない幸せでも満たしやすいはずだ!
満足しやすくしよう!

んで、書き出してみて眺めながら思ったのが、
「これ、お釈迦さんが苦しみから逃れようとして挑戦したことと似てね?」
ってことだったんですね。

お釈迦さんがまずやったのは【Bパターン】だったようです。

とにかく宴会を開いたり、美女をはべらしたりして、快楽で満たすことで苦しみを忘れようとしました。

だけど失敗。

いくら贅沢をしても、Hiな状態が続くわけもありません。

人間は、眠ったりしないと死んでしまう生き物ですし、ずっと宴をできるように、体も心も出来てません。どんな快楽にも、慣れてしまいます。

そしてそもそも、幸せを溜め込めるようにできていません。

次にお釈迦さんがやったのが【Cパターン】です。

とにかく心身を鍛えるために滝行などの修行を積んだわけです。

だけどそれも失敗しました。

いくら体を鍛えてみても、どんな苦しみにも耐えられるような強靭さは、やっぱり手に入らなかったみたいです。

そして最後にお釈迦さまがたどり着いた答えは、以上のどれでもないパターン、『幸せの箱自体を、意識しない』だったのです。

欲望や苦しみは尽きることがない。
だから、受け流そう。

幸せも苦しみも、自分が感じたことでしかない。あるがままの事実だけを観よう。

評価をしない。それが大切なのだ。
そう思ったわけですね。

確かに、箱を意識しないなら、穴もなにもないわけです。
穴を意識するから苦しくなる、と悟った。これがお釈迦さまの気づきのひとつだったのだと思うのです。

みなさんなら、どのパターンでいきますか?

ちなみにお釈迦さんは【Aパターン】は試してもいません。

きっと、穴を塞ぐのは人間には無理だと悟っていたのだと思います。

考えるとわかりますが、一度満たされた幸せが、もしもずっと続くなら、ボクらもうその後なにも頑張らないですからね。

きっとそのまま、ホワホワしながら死んでいくだけになると思います。

というわけで、今回は『鬼滅の刃』から「幸せの箱には穴が空いている」という話でした。

ボクが挙げたのよりもっと素敵な攻略法があるよと思いついた方は、ご教授いただけると幸いです。

【お礼】
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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ワンタッチの関係で結構です。
ボクを幸せにしてください!

そして本日の記事が少しでもお役に立てたなら、それもまた幸いに思います。

それでは、本日もよい一日をお過ごし下さい。
ねこのてのヒロでした。

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