来世は木になりたい。
「来世は何になりたい?」
中学生の頃に友達とよくこんなことを話した。皆は決まって「私は鳥になりたい!」や「僕はもう一回人間がいい!」などと言う。
当時の僕は違った。木になりたかった。何もないところに一つだけぽつんと静かに立っている、そんな木になりたい。僕は知りたかった。風に吹かれてもなにも言わずにじっと立ち、鳥がとまっても追い払うことなく立ち続ける、そんな木の気持ちが。どんな気持ちでそこにじっと、ただ黙って立っているのだろうか。
僕がこう答えるといつも皆は「なに言ってるの?」とでも言いたそうな顔でぽかんと僕を見る。確かに友達がこんな意味不明なことを言うとそんな顔もしたくなるだろう。
生きるのは大変だ。あれから6年経った今はすごくそう思う。毎日どんなに辛くて、苦しくて、しんどくても生き続けなければならない。決して自ら命を投げだすようなようなことはしてはいけない。これは命あるものとして生まれた使命なのだと思う。いつか必ずいいことがある。そう信じて生きていかなければならないのだ。
「木はどうなんだろう?」ふとそんなことを思う。冬は寒いし、夏は暑いと思うのだろうか。木も生きるのは大変なんだろうか。知りたい。
「来世は何になりたい?」
やっぱり僕はこう答える。
「来世は木になりたい。」
おかげさまでいつも楽しくやらせてもらってます。ありがとうございます! これからもどうぞよろしくお願いします。