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one point 統計学~1記事1000字の基礎講座

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統計学の基礎(大学初年度程度、統計検定2級程度)を、1つのトピックにつき1000文字で体系的に学べるようになっています。 毎回、紙芝居のようなプレゼンで視覚に訴えます。 数学があ… もっと読む
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one point統計学~確率論と統計学の関係

(難易度⭐⭐) 何かを真面目に勉強すると、 「今までの勉強内容が花開いた🌸」 「この部分ときめく💖」 という箇所に出会います。統計学と確率論の関係もその1つ。 今日は統計学のそんな部分、確率論と統計学の関係のザックリ解説です。 確率の教材と言えば、サイコロ、くじ引き、赤玉白玉…なんだかつまらないというイメージかもしれませんが、全くそんなことはありません❕ これらは、人間の努力や思惑が全く反映されない(=無作為な)”純度100%の偶然”を提供する身近な題材なんです。純度1

One point統計学~区間推定

某局人気番組の視聴率14%、内閣支持率35%…などはよく目にしますが、視聴率の測定器が設置されている家庭や調査員に直接聞かれた人はめったにいませんね。有権者全体やテレビを持つ全世帯の調査は現実的に難しいので、無作為に抽出した一部の有権者や世帯(標本)に対して支持率や視聴率(標本比率)を調べるのが普通です。35%という数字は、全有権者(母集団)の支持率(母比率)ではなく一部の有権者の支持率に過ぎません。 この35%を真の支持率の推定値とする考え方もアリですが、今日は 「母比率が

one point統計学~連続型確率変数と密度関数

今日はまた分かりにくい💦という声が多い連続型確率変数です。次の❓について1000字+絵でザックリ解説します❣ ㊟少々乱暴ですが分かりやすさ優先 ✋連続型確率変数に関する質問を要約  ①縦軸はナゼ確率でなく確率密度? ②確率はナゼ面積で表されるの? ③「1点を取る確率0」がイマイチ釈然としない。 高校までの確率変数の定義:「ある確率法則に従っていろいろな値をとる変数」は数学的に突っ込みどころ満載ですが、今回支障はないのでこの定義で行きます❣ 確率変数がどんなタイプの値を

one point統計学1000字~確率の現代的定義(公理的定義)をざっくり解説

標本を母集団から無作為抽出すること自体、くじ引きのような確率的要素が含まれていて、統計的推測と確率論は切っても切れない関係にあります。 少し詳しい本では確率論は確率の公理的定義から出発しますが、それがまた「無機質で意味が分からない!」という難所の1つになっています。 今回は、確率の公理的定義をザックリとそれでいて本質的が伝わるように1000字+絵でお届けします❣ 「サイコロ1個投げて⚅の目が出る確率1/6」というのは殆どの人が納得します。これは、起こり得る全ての場合が6通

one point統計学1000字~スタージェスの公式の正体

データは現実を解釈するために使う大切な数字の集まりですが、そのままでは単なる数字の山。そこに潜むパターンを浮き上がらせるために整理し見える化したものがヒストグラムです。 下の数字はある競技の全国大会に出場した女子選手35人の身長データです。 167 165 153 152 155 159 166 154 157 160 167 159 166 158 170 164 155 148 161 164 153 172 163 151 162 166 158 152 156 1

1000字の統計学入門講座~仮説検定の気持ち(考え方)

質問✋ 統計学が客観的な証拠を掲げる強力なものであることは分かりました。 でも「それでもやはり奇跡を信じる」と言う相手は納得させることが出来ないのでしょうか? 統計学の基本中の基本、仮説検定の本質をついた質問ですね。 今日のテーマは、仮説検定の考え方です! 仮説検定は、「このサイコロが公平に作られているか、細工されたものかを判断したい!」というような、偶然性が介入する問題に何らかの判断を下すための方法です。(①②) さて、10回連続で⚅が出るようなサイコロは「インチキだ

【1000字の統計入門講座】~数学の基礎知識、これだけは❣

統計学の講義を始めるとき、よくある質問を1つの文にまとめてみました! 「1年以上数学に触れていないので簡単な公式だけでも復習したい。何を勉強すれば良いですか?」 (受験で数学を使わなかった文系学部の1年生) 凄く分かります! 真面目に統計学をやろうと教科書をパラパラめくってみたら数式がけっこう出てくるし、ある学部では積分記号を板書したら悲鳴が上がったとか(笑) ただ、筆記試験に合格しないと単位を落とす💦っていう学生と、ビジネスに活かすために勉強する社会人とでは、アプロー

統計学が分かるようになりたい!

はじめまして。鈴木桜子と申します。 noteの記念すべき初記事は、「統計学と私」です。 25年前、大手予備校で受験数学を教えていたときに統計学に出会いました。受験数学と対極にあって実用的な数学手品…みたいな統計学が本当に面白くて、夢中で勉強しました。そして独学の限界を感じて大学の数学科できちんと学ぶ決心をしたとき、とっくに30歳過ぎてました。 しかし! 晴れて入学した矢先、教授に「統計学は数学じゃない(笑)」と言われ、かなりショックを受けたことは一生忘れられません。と