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助手席

「吉野家、エネオス…」

「眠いんだろ」
自分で気付いていなかったクセ。
助手席で睡魔におそわれると目についた看板の文字を声に出して読み始める。
楽ちんだったけれど、ただ助手席に座っているだけの女にはなりたくなかった。

仕事仲間が若い頃に会社の女性の先輩から「自分で電球を取り替えられるようになったらおしまいだよ」と言われたらしい。
脚立を持ってきて電球どころかシーリングライトも取り替えるし、自慢じゃないが電動ドライバーで真っ直ぐにネジを打ち込めるようにも、あぁ、なったさ。


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