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時をかけるオタク心

朝ドラ虎に翼

主人公トラの笑いあり涙ありの物語に

毎朝感動しています。

ですが、私の中でトラというと別の作品に

一番好きなキャラクターがいるのです。


それは漫画

日に流れて橋に行く

に登場するトラこと主人公の虎三郎です。


大まかなあらすじは

明治末期、近代化が進む中

取り残されつつある老舗呉服店

三ツ星の再興の物語―――。


トラは三ツ星の三男坊で、イギリス留学から帰国しますが

傾いた店の従業員からは冷たい視線を浴びせられます。

誰も味方がいない中、

留学先で知り合った横柄だけど切れ者な鷹頭の登場と

現当主である兄が店のお金を持って姿を消したことから

トラは当主となります。


正直この辺までは、トラは地味なキャラクターです。

トラの相棒鷹頭は外国育ちの高身長イケメンで

トラは漫画のモブくらいの平均ビジュアル。

鷹頭にスカウトされる長身コンプレックスを抱える

ファッションオタクのヒロイン時子の方が

主人公っぽく、共感もしやすいので

なにか違和感を抱えたまま読み進めていったのですが、

一巻の後半、突如として時子が呼ばれた面接で

トラの持っている才能の片鱗が現れます。


これは作者の方にまんまと乗せられました〜!

意図的かは分かりませんが

トラのキャラクタービジュアルすべてが

伏線だったかのように

たったワンシーンで突然トラが当主に見えてくる。


頼りない主人公がお店と共に成長していく物語じゃないのね…!


テレビに出てくる事業をV字回復させた社長さんって

見た感じごく普通のおじさんだったりしますよね。

色黒歯白の靴トンガリなカリスマ社長もいるけど。

まさにトラはそんな感じで

どこにそんな力があるのか

思いもよらない言動で周囲を虜にしていきます。


この物語は世間の波に立ち向かうだけでなく

自ら波を巻き起こしてゆく覚悟を決めた人たちがたくさん登場します。

その先頭に経つトラに読むたび胸が熱くなるのです。

まだ完結していないのですが、ぜひとも読んでみて欲しいです。



さて、ここからはただの漫画と着物のオタクの話になるので

お忙しい方やテンション高めオタクアレルギーをお持ち方は

ごきげんよう案件となります。

それでは失礼して。





明治末期を舞台としたこの作品は

作中にたくさんの着物が登場します。

中でも私はしっかりと描かれた女性キャラクター達の

半衿が大好物です!

ひとりひとりちゃんと違うし季節やお仕事に合わせた物になっているんです!

帯や着物はもちろんですが

半衿と帯揚げの柄を合わせていたりして

そんなところまで書き上げるなんて

ホントごちそうさまでございますm(_ _)m


街ゆく人たちも

流行りに乗っかり皆似たような格好になってる

若い子たちがいたり

下町の奥さまの黒い掛衿の粋なこと…♡


中でもお客様の聡子さんが回想シーンで

半衿にネクタイピンのようなものを付けて

もう一つ別に懐中時計でしょうか?

チェーンが胸元から帯の中へ伸びているという

コーデがあるのですが

どういう仕組みなのか分からないです。

気になります。

気になるこの感じも楽しい。へへっ。


和装だけでなくレトロで上品なドレスも登場します

和装から洋装へ移り変わる時代

素敵なドレスだけど目立つとか

どこに来ていくのかという

洋装への抵抗や苦悩を読んでいると。

普段着物を着るという

作中と逆のことしている私は

個人的にすごく勇気づけられます。


カバーと扉絵以外はモノクロなので

足りない想像力を使って脳内で色を付けていのですが

カラー画集を出す予定はないのでしょうか…。

欲しいー。


来月に新刊が出るとのことなので

もう一度、読み直そうと思います。

また新たな発見があると思うと楽しいな🎶


個性豊かなキャラクターたち

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