円高株安のダブルパンチで44%下落することについて考えてみた話
こんにちは。30代共働き夫婦の55FIREです。
8月5日に日経平均は史上最大の下落を記録しました。そして米国株もリセッション懸念の影響か株価が軟調な展開です。
一方で為替にも目を転じると、1ドル163円を天井にそこから一気に円高にシフトしています。
これまで円安効果で米国株の円換算価値は高まっていましたが、その効果も次第に薄れてきています。
そこで今回は「円高株安のダブルパンチで44%下落することについて考えてみた話」について書いていきます。
最後まで読んでいただければ嬉しいです。それではよろしくお願いします。
米国株への投資は為替の影響を受ける
米国株に投資すると、株価以外にも為替の影響を受けます。
例えば、米国株の株価が10%上昇(100ドル→110ドル)し、さらに円安が10%進行(100円/ドル→110円/ドル)したとします。
まず、株価上昇前(円安前)に100ドルの米国株を何円で買えるのかというと、100ドル×100円/ドル=10,000円になります。
同様に、株価上昇後(円安後)に110ドルの米国株を何円で買えるのかというと、110ドル×110円/ドル=12,100円になります。
もし円換算せずにドルのまま考えれば、100ドル→110ドルなので10%しか上昇しません。ここでは円換算しないので為替の影響を全く受けないのです。
しかし、円換算する場合には、先ほどのように為替の影響が無視できなくなります。結果的には、円換算で10,000円の米国株が12,100円まで価値が上昇します。
つまり、株高と円安の相乗効果によって円換算時の価値が株価上昇分の10%だけではなく、そこからさらに円安による価値上昇分の10%も加算され、結果的には21%(1.1倍×1.1倍=1.21倍)の上昇があります。
一方で、株安と円高が同時に発生した時は、先ほどとは全く逆の現象が起きます。
株安と円高の相乗効果によって円換算時の価値が株価下落分の10%だけではなく、そこからさらに円高による価値下落分の10%も加算され、結果的には19%(0.9倍×0.9倍=0.81倍)の下落になります。
このように株安株高以外にも為替が円安円高のどちらに動くかは、非常に重要なわけです。場合によっては先ほどの例のように、株安と円高でダブルパンチを受けて資産を大きく減らす可能性が米国株投資にはあるのです。
2024-2025年にかけて株安と円高が米国株投資を襲う
そして記事を執筆している現在も円高が進行しています。
つい1-2か月前までは160円/ドルまで円安が定着しつつありましたが、日銀の利上げや米国の利下げ(期待)によって、一気に円高方向へ進んでいます。
しかし、8月7日時点では147円/ドルと一時よりは円高ですが、直近5年間のドル円チャートを振り返ってみると、それほど(相対的に)円高とはいえません。
2020年のコロナショックでは、米国が一気に利下げを行ったことで、日米の金利差が縮小して円高ドル安が続きました。ちょうどこの時は、105-110円/ドル程度で推移していました。
ところが2021年になると、米国で深刻なインフレが発生し、徐々に利上げを進めていきました。その結果、日米の金利差が拡大して2024年現在までの円安ドル高のトレンドが継続してきたわけです。
そして円安ドル高のトレンドがついに終わりを迎えるのではというのが現在です。今後はもう少し日米金利差が縮小してくると考えられるので、2024-2025年は120-140円/ドルの範囲内で推移するという見立てもあります。
160円/ドルから130円/ドルに円高が進む、つまり約20%は円高になるわけです。
一方で米国の株式市場では、米経済のリセッションによる暴落が警戒されています。過去のリセッションを考慮すると、今回は約30%の下落が予想されています。
つまり、株価が30%下落、円高による20%の下落が同時に発生すると、米国株の円換算価値が44%下落するわけです。
44%下落=2022年の水準に戻る
それでは具体的にどれくらい下落するのかイメージしやすいように、米国の代表的な株価指数S&P500に連動する投資信託「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が44%下落したと仮定します。
投資信託の直近の最高値は約33,000円です。ここから44%の下落が起きるとどれくらいまで基準価額が低下するのか。
答えは、18,480円になります。
18,480円がどれくらいの基準価額かというと、ちょうど2022年のボックス相場の頃の水準です。
この1年間はそれまでの上昇相場が一変し、米国株は株安が進行する一方で円安も進んでちょうど日本円でのリターンはほぼ横ばいの年でした。
そしてこの年以降は現在に至るまで米国株は上昇相場が継続していました。
つまり、直近の最高値から44%下落することは、2023年以降から現在までの上昇分を全て失うことを意味します。2022年の基準価額まで戻るわけです。
もし仮に株価が30%下落、円高による20%の下落が同時に発生すると「44%下落=2022年の水準に戻る」ということを想定しておきましょう。
事前に想定しておくと本当に下落した時に狼狽えずに済みます。
一番やってはいけないのがパニックからの売りです。下落局面は長期投資家にとっては株を安く買える絶好のチャンスでもあります。
これから米国株では、株安と円高のダブルパンチが襲ってくるかもしれないことを覚悟しておきたいものです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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