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くりこさんの写真展

文章と写真は、その人の人柄がでる。

2018年6月16日から7月1日までの土日で行われた、くりこ(@KURICOPY)さんの写真展に伺った。
場所は、上野にあるギャラリー『Gallery Kazenone風音』。根津駅から10分少々歩いた場所にある。

中に入った瞬間、カラフルな写真とやさしい音楽が迎えてくれた。
今回のテーマは
「ウィークエンドの風吹く窓」
学生時代から最近撮影したものまでを、厳選して展示されている。
今回の写真展では、撮影した写真をキャンバスに印刷して展示しているという。表面に凹凸があり、まるで絵を描いているような雰囲気だ。

くりこさんは、私と同じく#明日のライターゼミ2期に通う仲間で、駆け出しのコピーライターさんだ。
「2019年6月6日まで『言い値』で言葉を書く」という活動もしている。
言葉に対して誠実で、学びに対しても貪欲だ。十ほど歳の離れた私も、その姿勢にいつも刺激を受けている。

展示されている写真には、一つひとつ「言葉」が添えてあった。

「また昇る」
今日やりたいことを、
もったいぶらないで、
すぐやろう。まずは、
おそれず。
また日は昇るよ。

「ふわりの葉」
ふわりとやわらかい
羽のような葉。
風をくすぐるように
ゆれて光に透き
とおる。

「まっすぐ。」
そらの青に向かって、
まっすぐ。
なんの衒いもなく
まっすぐ。
枯れても、まっすぐ。

「しあわせのキイロ」
「幸福の黄色いハンカチ」
を見た日から、黄色の
意味が変わった。
しあわせが、吹きとば
されず、咲きますように。

「網目の月」
よるの網目の
その向こう。
細い月がほほえむ。
よるはあそばなくちゃ
とでも言うように。

「どこで撮ったの?」と聞くと、家の近所で撮ったり、日常の中にあるものを被写体にして撮っているんだと教えてくれた。
日常の風景も見る角度を変えると、新しいものに出逢ったような、新鮮な気持ちになる。

「SUI」
何にでも
なれるし、
どこでも
行ける。

雪が溶けかけて、アイスバーンになった道かなと思って見てみると、
『西瓜』だと聞いて驚いた。モノクロの西瓜に、脳内で色を付けて、もう一度楽しんだ。
カラフルな写真の中に何故モノクロの写真を作ったのかと聞くと、
「どんなお部屋にも合うかなと思って」と、笑顔で答えてくれた。
そこには、買った人のソノサキまで考えられていた。

今回の写真展のテーマでもある「ウィークエンドの風吹く窓」には、『新しい窓をつくる』というテーマも含まれている。
「私が窓をつくることはできないけど、この写真をお部屋に飾ることで、景色を見ているような気持ちになってもらえたら」と言っていた言葉が印象的だった。

「ウィークエンドの風吹く」
そっと、のぞきこんだ。祝福するような光。
ウィークエンドの冒険。
風が吹く。
やっぱり世界は広い、
ね。

私はこの写真が一番好きだ。ピンクと水色の組み合わせは小学生の頃から好きなので、最高な色使いであることもさることながら、「ウィークエンドの冒険。風が吹く。やっぱり世界は広い、ね。」という言葉に、今の自分が重なった。
ウィークエンドに開催される「これから書く人になる」場所に飛び込んだことは、まるでワクワクする冒険のようだし、自分の中で何かが動いて、世界は広いということを知った。

「カメラを持つと、『写真を撮る人』になれる」
くりこさんが写真を撮り始めたのは、今から約8年前。学生の頃から写真を撮っていたが、仕事を始めたばかりのころ、慣れない土地で心身ともに疲れてしまい、家から出ることが少なくなった。

次第に写真も撮らなくなった。

そんな時、くりこさんを外の世界へ連れ出してくれたのが
“カメラ”だった。

「外に出る理由になるんです。」

カメラを持ち、その時感じた心を写真に留める。
撮る日はバラバラ。感じるままに、撮っていく。
その切り取った世界が優しいなと感じるのはきっと、くりこさんが優しいからだと思った。

ひととおり見たあと、キュッと冷えたラムネをいただいた。
会場の前に竹でできた長椅子があったので、そこに腰かけて、人が行き交う姿を眺めながら飲み干した。

駅に向かう帰り道、懐かしいお絵かきを見た。
もしかしたら、通りすぎているような日常の風景も、くりこさんの写真を見た帰りだからだろう。何だかスマホを向けて撮っていた。

くりこさんのnoteはコチラ▽
https://note.mu/66_6/n/n0e57abbe6879


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