台湾?中華民国?

 日本の政府やメディアは中国(中華人民共和国)に気をつかって、台湾を中華民国と呼ぶことを避け、俗称としての台湾という名称をずっと使ってきた。でも逆に台湾側の政府は中華人民共和国や台湾内の親中派の反発を恐れ、正式国名を台湾とせず、中華民国という名称と中華民国体制をずっと維持している。  

 そうしていることで、台湾は台湾国ではなく、中国、或いは中華圏の地域であり、将来いつか中国(中華人民共和国)と一緒になる可能性もあるというポーズがとれるからだ。

 ただし、台湾が民進党政権になると、国家は中華民国体制のままだが、すきあらば台湾という表現を使うし、台湾という名称を強調する。でも台湾を正式な国家名にすることはできない。正式な国家名にしたら、中国であることを拒否し、台湾国として建国したとみなされ、中国との戦争のきっかけにもなりかねないから。

 日本のメディアが台湾を台湾と呼んだからといって、台湾を独立国家だとか、台湾が正式国名だと主張しているわけではない。中華民国という正式国名を使うと中国(中華人民共和国)が怒るから、便宜上の地域名、俗称としての台湾という名称を使っているだけだ。

 ということで、日本でも台湾でも一般人の間で台湾の呼称に関して、矛盾や誤解、反発が度々発生する。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?