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台湾語や客家語でインドネシア華人と話が通じる。

 20年前、台北で知り合った潮州系インドネシア華人や客家系インドネシア華人との付き合いが多かった。その時に彼らに台湾語や台湾の客家語で話したこともあるし、彼らが台湾人と潮州語や彼らの客家語や福建語で話しているところを何回も見ている。話の内容によってはお互いに全く問題なく通じていた。

 台湾語や台湾の客家語とほとんど同じ単語や表現が非常に多いのだが、問題は台湾語や台湾の客家語には日本語からの借用語が混ざることがあり、インドネシア華人の潮州語や客家語にはインドネシア語からの借用語が混ざることだ。彼らは当時、10代後半から20代前半だったが、潮州語でも客家語でも、日常的によく使う単語や接続詞はインドネシア語からの借用語だった。

 例えば、台湾語ではトイレを日本語からの借用語で便所(ペンソォ)と言うが、インドネシア華人はジャンバンと言っていた。インドネシア語からの借用語だそうだ。 「でも」「だから」「そうなんだ」みたいな表現もインドネシア語を借用する。

 そして、驚いたのは「ありがとう」を潮州語や客家語でどういうのか知らなくて、皆んなカムシャー(福建語の感謝を借用)と言っていた。これは華人同士の共通語彙であり、本来、潮州語や客家語で「ありがとう」はどう言うのかは年寄りに聞かないとわからないらしい。

 台湾語と似ているけど少し違うところは、例えば、グアバは台湾語でポアッラァやパッラァ、ナポアッラァなどと言うが、潮州語ではポアッキアと言う。台湾語名詞の語尾に付く仔(ア)は潮州語では囝(キア)になる。でも、このくらいの差はお互いにすぐに覚えられ、修正できる。台湾語の仔は囝が変化した発音らしい。

 インドネシア華人の友人達が潮州語で買い物の値段交渉をしだした時、僕が台湾人の店員さんに聞いてわかるの?と質問したら、うん、全部わかるけど、この人達、絶対台湾人じゃないでしょう。いったいどこの人なの?と聞いてきた。

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