中国語聞き間違え

 日本語を話す時にはトーンを気にしたり、吐息を出すか出さないかを意識する必要はない。どんなトーンで話しても、どんなに強い吐息が出ようが意味は変わらないからだ。でも、中国語は音のトーンの違いや吐息を出すのか出さないのかで意味が変わるので意識しなければならない。30年近く中国語に接していても、これには未だに慣れない。昨日も瘦(ソウ:上から下に急激に下がるトーン)を熟(ソウ:下から上に急激に上がるトーン)に聞き間違えた。状況を見ながら、相手の長い話を聞いていれば、聞き間違えないだろうが、突然一言単語だけとか、短いフレーズだけ言われると区別できないことがある。トーンが真逆になる場合でもだ。自分が話す時も気をつけていないと、看(カン:吐息を出す)と言うべき所を幹(カン:吐息を出さない)と言ってしまい、相手に誤解を与えることもある。幹(カン:吐息を出さない)は特に台湾語の姦(カン:吐息を出さない=性交の意味)に聞こえるので、要注意だ。逆に中国語話者は音のトーンの違い、吐息が出るか出ないかの違いを敏感に聞き分ける。しかし、何十年日本語を学び、使っていても、日本語の清音と濁音の違いは聞き分けられない人が非常に多い。日本語がベラベラでも、実は日本語の濁音がどんな発音を指すのかをわかっていない人も多い。幹(吐息を出さない中国語発音のカン:日本人にとっては清音)と顔(がん=日本語発音=濁音)が聞き分けられない人が非常に多いのだ。また、日本語を教えていると、日本人は同じ単語を発音しているはずなのに、毎回違って聞こえるし、人によっても発音が違うんだけれど、それは一体どうしてですか?と質問される。日本人の発音の微妙なトーンの違いや吐息の出具合を聞き取ってしまい、違う発音に聞こえる人が多いのだ。

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