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先週、片倉佳史さんと大餅(喜餅)について対談しました。

大餅 (tōa-piánn 喜餅 )
 結婚が決まった女性が結婚披露宴の前に親戚や友人に配る(配る相手や数量は女性側が決めて、費用は男性側が持つのが一般的)巨大な月餅のような焼き菓子のことです。は日本語の「おもち」の意味ではなく、小麦粉から作った平たい焼き菓子類なので、クッキーの類も「」と言えます。

「喜餅」の慣習はどこから来たのか ?
 
「喜餅」の起源は三国時代。孫権(そんけん:三国時代の武将、呉の初代皇帝)は劉備(りゅうび:後漢末期から三国時代の武将、蜀漢:しょっかんの初代皇帝)を討つための策略として劉備に自分の妹を嫁がせると偽りの約束をし、それを見抜いた諸葛亮(しょかつりょう:蜀漢の政治家、孔明)は周辺の百姓や孫権の兵士にまで餅菓子を配って、二人の婚約を広めた。その結果、本当に結婚しなければならなくなり、孫権は劉備を討てなくなってしまったという逸話から、婚約が決まると結婚式の前に餅菓子を配り周囲に婚約の事実を広める慣習ができたそうです。

 「喜餅」の中の餡 (ānn) は塩っぱいものと甘いものをミックスしたものが多いです。 台湾人は甘さの中にも塩っぱさがあるものが好きなようで、サンドイッチの中身も甘 いクリームやジャム類と野菜や肉類、チーズなどの塩っぱいものとが一緒に入っている事も多いです。この味の感覚はアメリカの食文化に似ているなと思います。

 サンドイッチは三明治と書かれます。この三明治という漢字表記を直接台湾語で読 むとしたら sam-bêng-tī になりますが、日本語の影響を受けた săn-lóo-it-chì または sio'k-pháng-kauh = ショッパンカウッという台湾語表現もあります。ショッパンと いうのは食パンのことです。また、sán-ūi-chì = サンウイチィという英語発音の影響と思われる言い方もあるようです。

 月餅や大餅の表面におめでたい文字や図案を刻印する時に使う押し型を糕仔印 (ko-á-ìn) と言います。これを室内、店内のインテリアとして飾る人も多いです。

 また伝統的な焼き菓子や餅菓子を売る店を餅店(piánn-tiàm) 餅舖(piánn-phòo)と言います。

大餅を入れる箱
小分けして販売をしているお店もあります。

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