『刀剣談』高瀬真卿,日報社,1910
諸家の名刀より抜粋
『怪談と名刀』では駿河の人が仇討をしたと記したのに対し、こちらは近江の人と記述しています。
また刊行当時はまだ土井家に伝来していたことがわかります。
『日本趣味十種』芳賀矢一,文教書院, 1924
『日本刀講座第五 歴史及び説話』岩崎航介ほか,雄山閣,1934
『日本趣味十種』『日本刀講座第五』より、小夜左文字が1924年頃何らかの形で土井家より外に持ち出され、神戸の田村市郎氏が所有することになったことが分かります。
田村氏は明治44年下関に田村汽船漁業部(日本水産の前身)をおこした人物です。
田村氏が所蔵したのち、1936年には大阪の個人の方の所有になっています。
『日本刀物語』福永酔剣,雄山閣,1964年
『日本刀物語』は1964年刊行と1988年刊行のもので小夜左文字の章末の記述が大きく異なっていました。
この24年の間で小夜左文字は柴田氏の手元をはなれており、80年代頃より奈良の個人の方が所有していました。
◆1988年版 こちらは結構所蔵している図書館が多いようです。違った点だけ抜粋。
『日本名刀100選』佐藤 寒山,秋田書店, 1983
仇討話はフィクションだろうという見解を記しています。