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そこまでしても、給食食べたい

今日は、食事療法の備忘録。

ニンタの小学校で給食が始まり、初日は私も立ち会ったのだが、ちょっと予想外のことがあった。

保育園の先生が心配していたのは、「小学校になって、給食が食べきれるか」ということだった。保育園では、嫌いなおかずはグズグズと食べず、食べきるのに時間がかかったと言うのだ。

わかる。家でもそうだから。それでも、保育園では、割と時間がゆったりとしていたので、毎日完食していた。そこで、給食時間の短い小学校では、ニンタはみんなより少し早く食べ始めて良いことにしてもらい、スタートとなった。

それでも、小学校では少し量も増えるだろうから、苦戦するだろうなあ…。給食の時間に教室におじゃますると、私は目を疑った。

給食のメニューから、糖質の高いものを除く。牛乳、主食のごはん、デザートがNG。すると、ニンタの給食は、お肉と野菜の炒め物が一品。野菜と卵のスープ。以上!

いや、それは最初からわかっていた。そこで、ごはんのカロリーを補うためにMCTオイル10g、デザートの代わりにゼロカロリーのゼリー、牛乳の代わりにパックの麦茶を持参していた。

意外だったのはその量だ。1年生ってこれしか食べないの?そのおかずの量はもはや、ぎゃくた…、違う、ごめんなさい。栄養士さんがカロリー計算してちゃんとやっているのだ。ごはんと牛乳とデザートがあれば、必要なカロリーをとれているはず。

家でも、ニンタはおかずしか食べていない。しかし、おかずでお腹をいっぱいにするには、なかなかの量が必要で、お肉やお魚も、6歳にしては多く食べていると思う。そうするとなかなか家計も大変なので、いつもお豆腐などでカサ増ししている感じ。

やっぱり、給食に限らず、普通の食事というのは炭水化物が中心なのだな。家ではなんとかできるけど、給食を利用しようと思うと難しいのだ。

ニンタは、そのちょっぴりの給食を、あっという間、5分ほどで食べ終え、「少ない」と言った。しかし、今日はデザートにゼリーを持ってきていたので、そちらに気をとられてなんとなく給食は終わりになった。

給食の持ち込み内容は、病院の栄養士さんと決めていた。そこで、私は給食の詳細を病院に送り、もう少し量を増やせないかと相談することにした。ニンタの食事指導をずっとしてもらっている栄養士、アメ先生だ。

アメ先生はおそらく、給食のカロリーと糖質をすべて計算したのだろう、少し時間をあけて、折り返し電話が来た。

「詳細見させてもらいましてね、食べられるおかずだけで、だいたい一食10g前後はあります。野菜も割と人参とか玉ねぎとか、糖質の高いものが多いですね。糖質はもう増やさない方がいいでしょう。カロリーはもう少し増やせますが、放課後デイサービスでおやつを食べるなら、そこまで心配する感じでもないですね。牛乳の代わりにケトンフォーミュラ(医療用の粉ミルク)というのは、よくやるんですが、フォーミュラも糖質があるので、これも麦茶のままでいいでしょう」。

「そうですか〜、本当にびっくりするぐらい量が少ないんですよね。じゃあ、持ち込むとしたら、糖質の少ない、肉、魚、卵、チーズ、っていう感じですか?」

「そうですね。糖質ゼロのパンは買ってないんでしたっけ」。

「糖質ゼロのパン、高いんですよね…!今は糖質2.8gのパンを1日一個まで、と決めて食べてます。このパンは給食に持ち込みにくいですよね」。

「そうですね〜…!おやつはどうしてますか?」

「給食ではMCTオイルで油を追加しているので、おやつでも油分を追加した方がいいかと思って、そっちにケトンフォーミュラミルクを持って行ってます。それから糖質1〜2gの手作りおやつ。合わせて糖質2〜3gです。なんか、油はこまめにとった方がいいと思って、給食でオイル+フォーミュラよりも、給食とおやつで分けるために、おやつにフォーミュラなんですけど、そういうことはないんですか?」

「病院としては、1日のトータルで必要な栄養がとれていればいいと考えています」

「なるほどー。じゃあ、おやつのケトンフォーミュラが給食に移動しても、さほど変わりはないんですね」

今のところ、ニンタは調子良く生活しているが、患者会ではこまめに油を摂取したり、授業の合間におやつを食べている人もいると聞く。1日のトータルで考える病院とは違うような気もするが、まあ「1日のうちのいつ食べても良い」の方が楽なので、調子が良いうちはその方がありがたい。調子が悪くなったらまた考えよう。

アメ先生は、「来月のメニューも手に入ったら、また送ってくださいね」と言ってくれた。アメ先生は本当に熱心に相談にのってくれる。電話を切ってから、私は病院の方角を想像して、心の中で手を合わせた。

家では調味料も糖質が高くならないようにしているし、野菜も糖質が低いものを中心にしている。お肉に軽く片栗粉をまぶして、なんて厳禁だが、給食ではそういうこともある。

「給食が提供されないのは大変だけど、良いこともあるよ」と患者会の方になぐさめられたことがある。ニンタの糖質摂取の目安は1日20g。そのうち10gを給食で使ってしまうので、その分、朝と夜とおやつは、しっかり頑張らなければいけない。給食は一切やめて、お弁当にすれば、その分楽になることもあるのだ。

それでも、やっぱり給食…。上の子、いっちゃんによると、給食は相当おいしいらしい。こどもにウケるメニューを、プロが本気で研究しているのだ。かなうわけがない。ニンタも、その給食を少しでも食べたいだろう。

しかも、学校では冷蔵庫もレンジもダメと言われているので、お弁当は常温保存。食中毒の心配があるので、特大の保冷剤を入れている。だから、家からの持ち込み料理は、やや冷たいかもしれない。

いや、それよりなにより、私の手間が違う。いっちゃんの幼稚園でも、ニンタの保育園で給食が許可されなかったときも、「ああ、今日はもうお弁当を作る元気がないから、休ませてしまおうか」と、何度思ったことか。ニンタの場合、冷凍食品のおかずでごまかしが効かないところも頭が痛い。

本当に、給食は素晴らしい。おいしくて、親もラクで、家庭円満。そのためなら、多少の我慢はする。

いや〜、まあ〜、できればニンタ用に粉類抜きで、別に作ってくれたらもっと嬉しいですけどもー、なんてことは、言いません、言いません。言いませんとも。

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