システムをデザインする仕事
ヘアサロンのシステムを医療施設専用にカスタマイズデザインすることが私の仕事です。
「ただ髪を切るだけ」ではありません‼️
私が現在働いているところは、
1日2-3時間、365日のリハビリを提供している病院です。
在籍職員は500人を超えていて、医師・看護師・介護士に加え理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・歯科衛生士といった職種がそれぞれの担当分野において、一人ひとりの患者様に合わせたリハビリの内容を日々提供しています。
私の仕事を紹介する前に、
なぜリハビリ病院が存在しているのか?
ということについてお答えいたします。
現在の医療現場では、街の診療所から総合病院(市立病院などの大型病院)へ、紹介状とともに手術を急ぐ患者様は搬送されます。
その症状は様々なようで、脳出血や脳梗塞などの脳外科に及ぶもの、大腿骨骨折などの整形外科など多くは手術後はすぐにでもリハビリを行わなければ、身体が動けなくなってしまうようです。
従来ではその総合病院で、リハビリを行い、歩行訓練などの基本的な日常動作機能の回復に励み、また家の近くのリハビリ専門のクリニック病院を紹介されて、家族付き添いのもとに各個人がそれぞれのペースで行うというものだったようです。
昨今は『健康寿命を延ばそう』というフレーズをよく耳にすると思います。
医療業界ではQOL(Quality Of Life)という言葉があるのですが、これは生活の質の向上(←直訳すぎますが・・)という意味で、もう病気は手術などで治すだけではなく、その後の患者様の生活の質の向上のために医療があるという概念が提唱されました。
そこで各地域に根差したリハビリテーション専門病院の登場です。
つまり手術後に身体的機能を回復させ、また自分の日常生活を送れることに特化した病院なのです。
私の仕事について
髪を切りたくても、院外への外出にはご家族の協力や院内での許可を経ての外出になるため、ヘアサロンへ行くことは皆無に等しい状態にあり、月に数回サロンから出張で行なっている理美容サービスにおいて全員が享受するには、患者数の規模から不可能でした。また髪が伸ばしっぱなしの状態を維持することは精神的にも悪影響を及ぼします。
そこで、病院内にヘアサロンを併設してもらって患者様が使いたい時に使えるサロンとして機能させることが私の仕事です。
ヘアデザインを提供するだけではなく、それをシステムとして機能させることもデザインしなくてはなりませんでした。
そのシステム構築は問題の連続でした。
次の更新ではその問題について話そうと思います。