見出し画像

料理人が感じる水産資源の枯渇について

私はレストラン、いわゆるガストロノミーと言われるフランチで働いている料理人です。

先日、両親が法事で父方の祖父の実家、鯵ヶ沢に行きまして、漁業が壊滅的で船がほとんど出ていないということを聞きました。
その話しがとてもショックで色々調べたりしたこと、実際にレストランで働いていて感じる水産資源の枯渇について少しここに記しておきたいと思います。

鯵ヶ沢について

鯵ヶ沢は青森県南西部にある人口1万に満たない
342km2 の面積の町です。
この町の産業は漁業以外にはほとんどないにも関わらず、魚がほとんど取れなくなってしまったそうです。
青森といえば、サバ、イワシ、マグロ、イカなんかを想像すると思いますが、主要なサバ、イカがほとんど取れなくなっているようです。
2021年の青森の漁獲量は過去最低を記録しており14万トンとなっています、コロナも関係しているのかもしれませんが、、、

イカの不漁について

深刻なのはイカの不漁です
この5年間でイカの漁獲量は5分一に減っているというデータがあります
サンマの不漁もここ何年かで取り沙汰され
みなさんも、価格で実感したかと思いますが
イカもここ数年で3倍程度にまでなっているようです。
これには諸説あり、外国におけるイカ食の増加や、温暖化による成長への影響が考えられるようです。

レストランで感じる価格の高騰

みなさんも知っているとおり、ウクライナでの戦争 食料安全保障 インフレと さまざまなものの価格高騰があるかと思います
そんな中でもイカ、サンマほど取り沙汰されませんが タコもかなり値段が上がっています。
4年ほど前は1キロ2500円などでしたが、今は3500円実にキロ1千円の値上げです。

持続可能な水産資源の利用

私は昔から海が好きです、釣りも行きますが年々釣れなくなってきてるなと感じます。
やはり自分の好きな海が魚がこのようなかたちで異変を起こしていることにショックを受けてます。

昔よく釣りをしてるときに、「太古の海だったら餌を海に入れた瞬間に大きい魚が食べに来て、簡単に釣ることができただろう」と思ってたりしてました。それと同時に「このまま漁業の技術が進化して魚を取り尽くして、人間がもう魚が取れないから漁業をやめて、その後何十年経てば元の素晴らしい海に戻るだろう」そんな妄想をしたりしました。

実際、船、漁具、魚群探知機などの進歩は凄まじいようで、このままいけば全世界の魚を獲り尽くすことも可能でしょうか。
私は、漁業の加速主義者ではありませんがこのまま何も手を打たないならかなり近い将来魚はかなり希少なものになるかもしれません。

では養殖などはどうでしょうか、実際完全に海から離す養殖は難しく、海に生簀を作る方法も、自然災害や、汚染、魚の密度の問題などでそう簡単ではないようです。

全世界的な日本食、魚食の増加、人口の増加を考えてみると。一旦持続可能なとかいう考え方から離れて、水産資源保護のために一切の水産資源の利用をやめるというのはどうなんでしょうか。
ネットフリックスにかなり過激なドキュメンタリーでこのような考えを訴えている作品がありました。
正直かなり過激で受け入れ難いものですが、この思想は私自身頭にこびりついて離れません。
 
漁獲量の数字としてこれだけ、イカやサバ、サンマ、ホタテ、サケ、マグロ、イワシ、アジ
これらの美味しい魚たちが減っていることを示している(実際に数が減っているのか、日本近海で取れなくなっているのかは謎ですが、楽観して良いものでしょうか)のです。

私自身魚を捌いて、調理するのは好きです、特別に思い入れのある食材であると言えます。
ここの記事でどのような思想であるとか
みなさんも明日から少しずつ変えていきましょうみたいなことを言うことはできませんが
興味を持って情報に目を留めることはしてほしいなと願っています。
また自分自身もできることがないかと模索していきたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?