神よ女王を守りたまえ。
中学生の頃から英ロックバンドのQueenが大好きだ。永遠に続くかと思われたバンドとしてのキャリアは、その頃既に終盤へと近づいていた頃だ。
きっかけは何だったかは忘れてしまったが、最初に買ったQueenの音源は「グレイテスト・ヒッツ」の英国版だったと記憶している。ベスト盤を買ったのはきっとお金がなかったからだろう。その後全アルバムを揃えたのは成人後に働き始めてからである。
彼らの魅力はメンバー全員のレベルの高い演奏と、時代に合わせて様々な音楽的要素を取り入れる柔軟な曲作りであったり、メンバーの個性、なによりもフレディの存在であることは誰もが認めるところだろう。
フレディが素晴らしいボーカリストだとは周知の事実だとわかっていますが、あえて、私のQueen愛、いやフレディ愛をひどく私的に綴ろうと思う。
聞き始めた当初はベスト盤はまだ1枚しか発売されておらず、彼らの長い活動をめちゃくちゃ凝縮した濃い選曲で全てがヒット曲でした。ただし1曲だけ微妙で映画のテーマ曲「Flash」が収録されていたのには非常に違和感を感じたものでした。
しかし、ヒット曲はキャッチーなために飽きも早い。この全てがメイン料理という中で最終的に一番好きになったのは「Good Old-Fashioned Lover Boy」でした。
軽快でノリがよく、甘く綺麗なメロディ、遊び心のあるアレンジで非常にフレディの魅力を感じられる曲だと思います。
アルバムも全部揃え、ライブビデオなども買いました。特にお気に入りで100回以上は観てると思うのは、「LIVE AT WEMBLEY STADIUM」でしょうか。他のライブ作品よりも映像や音も綺麗で絶頂期のQueenを観る事ができます。
長髪でピチピチ衣装の70年代のフレディもいいですが、やっぱり私は後期の口ひげを貯え、キレキレの動きでステージを動き回る姿に夢中でした。
まず第一にステージ上での眼光の鋭さです。歌唱中に度々、顎を引き、少しだけ上目遣いで野獣のように観衆を睨みつけます。そして目一杯のパフォーマンスを繰り出すのです。
独特な動きにも目を奪われます。フレディと言えば有名な拳を上に突き出すポーズや、片足立ちの決めポーズ、膝から下だけを動かして走る姿やストレッチ運動を彷彿するようなポーズと、上げたら枚挙にいとまがありません。
その一挙手一投足があってこそフレディ・マーキュリーなのです。歌唱力だけではなく新たにQueenファンになった方には是非とも映像作品、特にライブ映像を見ていただきたいと思うわけです。
あんなにパワフルで気迫を漂わせながら歌うボーカリストは世界広しといえども中々いないのではなかろうか? 彼のライブへの気持ちは最後列のお客さんでも楽しめるライブを届けることだったと聞いたことがあります。とにかく、回転したり、走ったり、ビシビシと動きながら(踊るという感じでは無い)圧倒的な声量と音域で観客を魅了するのです。
またライブでは1978年から始まったとされる、コール・アンド・レスポンスである「Ay-Oh」も彼の観客を楽しませるという信念から始まったパフォーマンスだったようです。キャリアを重ねると同時にスタジアムなどの大きな会場で演奏することが多くなり、大勢の観客と楽しめる物として、1986年のマジックツアーでは定番パフォーマンスとして定着しています。
その姿は指揮者のようでもありステージをコントロールする支配者のようでもあります。圧倒的な声で観客と言語を超えたコミュニケーションを可能にしたのです。まさにフレディしか出来ない唯一無二の最高な瞬間。
出来ることなら、私も一度は体験したかったです。本当に悔しい。生のライブでは体験することは出来ずに彼はこの世から去ってしまいましたが、最近では公式You Tubeチャンネルで数々の映像を観られるのは大変うれしい限りです。
フレディの拳を上に掲げたポーズは、フレディにしか出来ない格好良さがあるのはなんでだろうか、ビシッとしているのですよね。右手(拳)と左足が真っ直ぐになるように本人は意識してやっていたのでしょう。
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