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はじめましてのご挨拶、長すぎるプロフ(2)

大手進出による衰退

 しかし、お洒落で先進的な設備で順調だったカラオケBOXも、大手企業の参入によって陰りを見せます。当初は第一興商さんのレーザーディスクを使った機器も、ネット通信型のJOYSOUNDやDAM(第一興商)に取って変わって行きます。その頃になると大手レジャー企業が小さなブームに目をつけ、街のパチンコ店などの地元密着型遊戯産業界も規模の大小に関わらず出店してくるところとなります。現在でも続くカラオケの人気を見れば、当時、大手企業が参入してくるのは至極当たり前の結果だと理解していただけると思います。

 そんなこんなで、私が店長を務めていた弱小カラオケBOXは段々と売上を落としていきます。駅前で立地が良く、趣向を凝らした内装や、最新カラオケ機器の大型店舗(考えることは皆同じで、かつて6階建てほどのビリーヤードビルだった)にお客さんを取られると同時に、遠方より来て頂いていた人達も、それぞれの地元で新規オープン店に流れて行くこととなったのです。

 1996年春。

 売上は目に見えて下がり、私は社長と相談の上、この年の4月に閉店を決めます。

 ちなみにこのお店は、店舗物件の裏手で事務所を開設していた設計会社のショールーム的位置づけのお店で、プール・バーからカラオケに移行した後も、店に入ってすぐにバーカウンター、そしてビリヤードテーブルが1台あり、台を囲むようにカラオケルームがあるという造りでした。今から約30年前、かなり斬新なお店だったと思います。

(3)につづく。


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