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BILLY ELLIOT 2024(6)最高級の完成度

昨日のビリー役は春山嘉夢一さんです。(2)に続いて2回目の観劇になります。

お客さんの入りは7割弱で空いていました。私はステージに向かって左側の席で、左前、横は空席でした。そのためステージの階段を降りるカムイビリーを間近で観ることが出来ました。顔の表情は真剣な眼差しで複雑な心境を吐露しているように観えました。これをラッキーと言いたいところですが多くの方々にこの最高級の完成度と芸術性を兼ね備えたミュージカル「BILLY ELLIOT」を体感していただく方が一万倍も嬉しく思います。

前回とは違って今回はお子さんはほとんどいませんでした。それもそのはずです。前回の公演後にお子さんが多い訳が分かりました。あの公演が行われたのは国や自治体が資金を援助し小中高生を無料招待するという情操教育の一環として行われるイベントの日だったのです。付き添いのチケットは半額になりますが、どうせならこちらも無料にして集客数を増やした方が得策だと思うのですが・・・

昨日の公演はお子さんが少ない状況下でしたが、お客さまのリアクションはとても良かったと思います。リアクションと言えばそのお手本はAGTです。

アメリカズ・ゴット・タレント

今、繰り返し視聴している動画があります。
YouTubeのタイトル名は以下の通りです。

【和訳】緊張気味の14歳リード・ウィルソンを会場中が心配していると・・・I  AGT 2024

彼が選んだ曲は
You Don't Own Me / Lesley Gore
和訳: ヒロキ

物じゃない 君の玩具じゃない
物じゃない 
行く当てはある
何をすべきとか★
何を言うべきか★
君と出掛けるのは
そのためじゃない
だって物じゃない
変えられない
縛らないで 居続けたくない
僕は言わせてない★
何をすべきとか★
望みは一つ 自分らしく★
ずっと若いままで★
自由が好きなんだ★
思い描く通りに★
生きていくだけさ★

★印は歌詞とメロディが秀逸で鳥肌が立った箇所です。

この動画がアップされたのは2024年7月26日です。この翌日がミュージカル「BILLY ELLIOT」のオープニング公演開始日で歌詞の内容がビリーの心情と被ります。リード・ウィルソンの歌唱は本家のレスリー・ゴアよりもマッチしていて会場の観客を湧かせゴールデンブザーで更にヒートアップして行きました。

昨日の春山嘉夢一さんも同じ14歳。彼のパフォーマンスはゴールデンブザーに匹敵する内容でした。

彼は瞬発力とリズム感に秀でています。

彼は13人の警察官が横一列に並んだ前の中央に立ち首を振って左右を交互に見ます。これは「だるまさんが転んだ」と同じ手法で意味不明な動きをしている警察官の方を見るとピタッと止まります。これが左右で何回か繰り返されるのですがドンピシャなのです。これは彼と警察官達の息がぴったりと合わないと上手くいきません。彼の素早く首を振る姿に迷いはありませんでした。(M-4Solidarity)

タップダンスもゴールデンブザーに匹敵します。

マイケル役の渡邉隼人さんとのタップダンスもシャープでフォームがことのほか美しいのです。

YouTubeの動画で、マイケル役の高橋維束(イツカ)さんと組んだタップダンスの練習風景も絶品です。(M-5Expressing Yourself)

ボストンバッグを持って階段を降り花道(通路)を通り過ぎるビリーの姿が大阪へ向かう後ろ姿と重なると東京公演の千穐楽が寂しく思えてしようがありません。