『水都百景録』岡本隆司著『物語 江南の歴史』は必読
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カタイに対するマンジ
『水都百景録』というタイトルに不満があるわけではありませんが、『江南百景図』からこう訳すことで抜けた要素はあります。
それは「江南」という地域のもと。マルコ・ポーロの『東方見聞録』以来の名称に「カタイ」と「マンジ」があります。ざっと華北と江南の分類と見てよいでしょう。
『江南百景図』というタイトルには、こうした「マンジ」の風景を描くという含意があると思えます。明を立てた朱元璋は、応天府(南京)を首都とした江南の皇帝といえます。しかし、彼に対して何かと反抗的な江南、特にライバルである張士誠の本拠地であった蘇州を痛めつけた君主でもあります。反抗的な江南の人々に嫌悪感があり、いずれ華北に都を移す構想は、すでにあったとされます。
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