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『水都百景録』を楽しもう!「東京ディープチャイナガチ中華セレクション」

 東京ディープチャイナさんの『東京ディープチャイナガチ中華セレクション』とスマホゲーム『水都百景録』と何の関係があるのか?
 そう思われるでしょうが、おつきあいください。スマホゲー関連以降のみ、マガジンにします。

かつては「ガチ中華」という呼び方すらなく

 ガチ中華――今ではよく見かけますが、かつては概念の呼称すらなかった。それを生み出してこう本にもなっているのだから、素晴らしいことです。

 そんなころ、本書でも掲載されている池袋の「永利」は行きました。ああいう日本人向けにアレンジしていない味。忖度がないかんじ。いいよね……当時はそう思っていても少なかった。
 昔ながらの町中華も好きだし、チェーン店もいい。けれどもああいう中華が食べたいと思っていても、当時は呼び方すらなく、「本格的なやつ」だの「本場の味」としか言えなかったものです。

ガチ中華は屋号でもわかる?

 かつてガチ中華を探るとなると、屋号で判断していました。日本人は「黄鶴楼」などなど、漢詩に出てきた綺麗な固有名詞を選びます。
 あと三国志関連。それって「寿司関ヶ原」みたいなセンスじゃないの?

 一方でガチ中華は、日本人とちょっと感覚がちがう。「鴻」という文字は日本人だとあまり使わないけれども、屋号では結構見かけると気づいたことがあります。私が気づいただけで、確信はないけれど。

 そんな自分の感覚を頼りにガチ中華を探していたのは、もう過去のこと。東京ディープチャイナさんの叡智さえあればなんとかなる!
 そろそろ本書の効用でも。

知らなかった、中国酒の飲み方

 中国料理なら中国の酒だ!
 そう言いたいのだけれども、これがどれを飲めばいいのかわからない状態で。今となっては信じがたい話かもしれませんが、かつて日本人は老酒に砂糖を入れる飲み方をしていたり、中国酒の味わい方が手探り状態だったわけですね。日本では中国酒として認識されている杏露酒は、日本独自のなんちゃって中国酒です。

 それがコラムで、ビールから白酒、紹興酒の飲み方までまとめてあって助かりました。酒は飲むけれども、そもそもどういう料理に合わせてらいいのかわからなかった。それが一気に解決しました。
 単純で、なんで今まで気づかなかったのかと思いましたね。稲作地帯の南は紹興酒。北は白酒。ざっくりとしているけど、その分類があったと。なんで今まで気づかなかったんだろう! そう言われてみればそうだった!

 そしてビールです。
 中国のビールには、何の印象もない。マイナスもプラスもない。なんかあるよな、程度でした。それが2023年の春節、グレープフルーツビールを飲んだことで一変しましたね。香りがいい。ビールについたフルーツ風味なんて、せいぜいがおまけ程度だとそれまでは思っておりました。それが本物のグレープフルーツのような香り高さで、ビールともマッチしていて、絶品でした。
 中国の味覚が、酒だと発揮されないというわけもない。これからは中国ビールを飲んでみようと思いました。種類も豊富です。
 中国の酒は随分オシャレになっていて、味もよくなっている。ただ、惜しいことに、店に出回っていないんですね。今後そこが良い方向に変わることを願っています。

これは買いです!

 本書は写真も豊富で、アクセスもきっちり書かれています。それだけでなく、ガチ中華を食べたい人向けの“ガチ”な情報もあります。
 どのくらい辛いのか。そして経営者はどんな人か。
 そして本書ならではのジャンル分けが素晴らしい!
 これ一冊だけでしばらく困らないと思えます。中国語会話もついていて実用的です。

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