『ブギウギ』第43回 戦争です、でもホームドラマも大事です
お父ちゃん関連のダラダラ描写が長くないですか?
ダメ男でも『おちょやん』はもっとよかったんだが
『おちょやん』のダメ父はリアリティがあり衝撃的でした。父だけでなく夫もダメでしたね。弟も反社会勢力鉄砲玉になって、満洲に向かい、そこで死ぬという展開でした。あの弟は史実ではもっと穏当な一生なのですが、ハードモードにすることで近代史を描く意図はえらかったと思う。
一方でこちらはおっさんよしよしファンタジーじみているし、解像度が低いんですよね。うっすらと作り手がある記憶頼り(しかも本人ではなく親や祖父母、ドラマなんかでみたもの)で作っていていちいちリアリティがない。
そして結局は男のファンタジーでしょうよ。あんな泥酔男と少女が二人きりでいたら、女性なら怖い。昔はそんなもんというのはただの偏見で、生々しい証言集をみていると性暴力は横行し、その対策も当時の女性はしています。そういう声が握りつぶされるか無視されてきただけでして。
イマジナリー東北人描写がつらい
この居候のお嬢さんは何県出身でしょうか?
チョイサチョイサと白虎隊を歌っていますが、白虎隊をあんなに明るく楽しく歌ったりしないから。悲壮感たっぷりに歌うし、そもそも縁起がいいもんじゃないだろ。ああいう死に方をしたものをあんなちゃらけた出鱈目扱い、福島県のアイコンとして入れてくるって、あまりのデリカシーのなさに吐き気がしますね。
そんなもんさあ。アメリカのドラマで「もぉ〜、テストの結果がマジ“ナガサキ”でえ〜」とほざくようなもんじゃねえの。バーベンハイマーをどうこう言えたもん?
こう突っ込むとこうくるよね。そんなこというけど、福島県は白虎隊を観光資源にしているってさ。でもあそこまで軽いノリは、あくまでテレビ時代になってからの話。
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