『虎に翼』第125回 「特別な私」になりたかった
航一は桂場の机に、昭和25年の「あの判例」を変更するときだと言い切ります。穂高が変えられなかった尊属殺の判例です。
しかし、桂場は受理できないと拒みます。松山ケンイチさんは声が絶品なので、迷いがかすかに滲んでいる声音になっています。
「これは駄目だ。受理はできない。尊属殺を扱うのは時期尚早だ」
桂場得意の言い方をします。
「わかるだろう?」
人権蹂躙する理由なぞわかるはずがない星航一
そして権力者らしい忖度の求め方をする。
「なるほど。わかりました」
航一はそう言い、書類を手にして去っていこうとするものの、ドアの前で踵を返し、桂場にこういいます。
「いや、やっぱりわかりません」
ツカツカと歩みより、書類を力強く叩きつけます。
「時期尚早とは、つまりどういうことでしょうか?」
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