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生きるための語学力を考える

 渡米した福沢諭吉は、なにがなんでも英語学んでやると決心し、辞書を持ち帰ったものでした。なんでかというと、語学なしでは正確な情報が入手できないから。
 なんでそんな福沢諭吉気分にならなきゃいかんのか? そう最近舌打ちしたい日々が続いています。要するに、語学力が生死を分けるかもしれない時代の到来です。

汚染されたニュース

 スマートウォッチに通知が来て、ニュース見出しだけでもざっと見られるようにしています。するとなんだかおかしなことに気づきました。
 同じニュースアプリでも、英語で配信するNHK公式の方がコロナ情報の深刻性がわかる。言語の特性や英語力の問題もあるのかもしれないけれど、要するに英語の方が見出しだけで危機感が把握できるようになっているということです。
 といっても、私は英語の専門家でもないし、別に得意でもないので、ハッキリとどこがどうとは言えませんが。
 
 英語圏のニュースを海外ソースから拾うと、どうにも日本のニュースは奥歯に物が挟まったようで違和感がある。コロナ、オリンピック、政治が顕著です。どういうわけかアメリカ大統領選のニュースも汚染されている。
 そのからくりは理解できました。

金融・経済が専門で欧州やアジアとの往来も多く、各国の政府や国際機関にも近い。

 
 こういうプロフィールで、頭がQ〜ッとしている記事ばかりを書いているって、一体どういうことなんですか。どういう機関と近いと頭がQ〜ッとしちゃうんですか!

◆議事堂乱入でANTIFAの影を見抜いた日本人女性 米保守派メディアが注目した、トランプ支持者とは異なる男たち(1/3) | JBpress(Japan Business Press) https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63625

 この記事の「日本人女性」って、コーネル大学図書館がリストアップした、アメリカ大統領選でデマをばらまいていた悪質アカウントに名前のあった我那覇真子氏です。陰謀論ネットワークに近づいたということでよろしいですか?

 それなりの大手が、そんな危険極まりない言論を掲載する理由は何か? アクセス至上主義でしょう。日本のWebメディアは、肩書きがある人を取り上げ、しかもある程度アクセス稼げるのであれば、有害性に目を瞑ってでも情報を掲載してしまう。そういう弊害が凝縮されているといえます。
 とはいえ、そういう悪質な言論はもうアメリカでもデータ化されています。何かと甘いことで有名なTwitter JPも、そろそろ年貢の納め時でしょう。そうならねば困る。ただSNSを開いただけでレイシストやセクシストに話しかけられることには流石に疲れました。

 そういう根源的な汚染と、空気を読んで何かに忖度した結果……日本語のニュースはあまり信じられなくなっていった。そういうニュースを読んで判断しているからには、日本語しかできない人にも何か影響があるかもしれない。その懸念があります。こんな状況で大災害が起こったらどうなることやら。

 とりあえず、頭がQ〜っとして、気づけば海外でも危険視されているような事態を避けるためには、英語を読むだけでも変わってきます。データソースの精査は必要ですが。頭がQ〜っとした日本人は、英語ニュースを誤読なり、そもそもが読めなかったりして、愚劣極まりない陰謀論に心掴まれている例が多いのです。
 もう、日本人の英語力不足は、一種のリスクとして確立したようです。

「英語はまずはスピーキングとリスニングから!」は真実か?

 そういう需要もあるのか、英語アプリも広告も増えていますが。騙す気満々、広告なんてそうした方が勝ちなのでしょうが、胡散臭いものも多い。

「英語ができなかった私が……たった数ヶ月で英語ペラペラ!」

 嘘こけ。
 「たった数ヶ月で」というところじゃない。ペラペラ、スピーキングのところがおかしい。そもそも一般的な日本人がどれだけ英語ネイティブと話す機会があるのか? 職場で話す環境ならわからなくもないけれども。
 自分なりの感覚から書きますが。リーディングスキルが一番手っ取り早く身につきませんか? ニュースなり、本なり、読むことは格段にハードルが下がった。紙の洋書を買って、すぐボロボロになるペーパーバックを読み、単語がわからないまま読むことはそれなりに大変だったでしょう。けれども今はKindleがあるから随分と楽になりました。
 リーディングを手っ取り早く身につけるのが早いだろうし、そもそも日本では義務教育で英語を数年間はやるわけですから、読むくらい、なんとかなると思いますが。

 上海の高杉晋作は、筆談で現地の方と交流していました。そういう前例もある。
 もっと生々しい実例は私の先祖です。シベリア抑留された彼が生存できた理由として、ロシア語知識があります。彼は読むことを覚えたため「便利な日本人捕虜」扱いをされて、洗濯室勤務になった。アイロンがけをしているところに看守が新聞を持ってきて、読む便利な奴扱いをした。おかげで彼は酷寒の中での木材伐採、工事といった重労働をしなくて済んだのだと。

「やっぱり外人と話したい!(※しかも金髪碧眼の白人)」

 こういう英語アプリ広告のノリは、いい加減昭和にもほどがある。人種差別でもあるし、いろいろ実態に則していない。そりゃ広告なんて騙せば勝ちではあるのだろうけれども、もういいかげんにしろと。

 ちなみに私の使っているアメリカ製のアプリでは、ナビゲーションキャラクターに非白人、老若男女いる、イスラム教徒もいる、人種も複数いる。そういうリアリティのある設定にされています。例文でも女性が「私の妻」、男性が「夫が今から来ます!」等と言う。ちゃんとダイバーシティに適応しています。
 そういうアプリを使ってから日本の語学広告を見ると、もう、何もかもダメに思えてきてつらいものがあります。

 そういうわけで、趣味と実益をかけてあくまで読む程度なので、日本語圏の方は英語でリプライしてくるのはご勘弁ください。そんなことができるあなたほど私は英語に自信がないし、あくまで海外の方向けで情報発信しているだけです。
 繰り返しますが、私は英語が苦手です。知能も低いのです。英語力を試されても困ります。海外留学経験も滞在経験もなければ、英文学や西洋史の研究者でもないただの一般市民です。そういうことはご勘弁ください。許してください。どうか何卒よろしくお願いします。


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