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『ちむどんどん』第48回 二ツ橋、過去の失恋

 ときは1976年。アッラ・フォンターナでの修行も5年目の暢子です。沖縄では歌子が病気を理由に退職し、東京で検査を受けることになるものの、どうにも暗い顔です。

自然な食堂

 二ツ橋は暢子を誘い、魚市場へ向かいます。そこでイカの刺身を捌いて食べてもらって、おいしそうに食べる暢子がいい。口の中は映さないし(当たり前だけどできていない朝ドラもあった)、大仰に「おいしー!」と叫ばないし。味わっている自然な仕草がよいのです。ここは背後で食事をしているおじさん、テーブルをふいている店員さんも自然でとてもよい場面でした。

そして二ツ橋は

 そして二ツ橋は「後輩」のこととして、房子への悲恋を切々と語る。ここまであからさまだと、鈍感暢子もそりゃ気づくわな。
 二ツ橋と房子、そして三郎の三角関係。三郎と房子は戦争を挟んでいるので、そこで何かあったのかもしれません。戦争で生別し、相手が亡くなったと誤認し、別人と再婚。悲しいけどよくあったことでして。
 この伏線をどう回収するかな?

歌子の病気は

 歌子は検査から結果が出るまで一週間かかるとのこと。その間、上野動物園にパンダも見に行かない歌子。智が誘ってパンダなのに。嗚呼。
 上野なら静かな美術館も公園もあるのに。悲しい。

 そして結果は結核でも膠原病でもなく、原因不明。精神性の発熱とか。気象病とか。そういう概念がない時代です。この時代、そういう子供の虚弱体質を祈祷に頼ってしまう親御さんもいたので、優子はそうならないぶんよいのかも。
 そもそもが、歌子は高い薬はいらないという。悲しい。

 二ツ橋の悲恋と、歌子の悲しみ。そしてイカ。暢子は過去の蓄積であるノートを片手に、看板メニューと現実を考えています。

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