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寒の入りと、七草がゆ。

ついに年が明け、2020年となりました。
みなさま、どんなお正月休みを過ごされましたか?
寝正月、食い正月、遊び正月など、思い思いに過ごされたことと思います。
遠い異国の地で過ごされたかたもいらっしゃるかもしれません。

私は、とにかく食べて食べてのお正月でした。
おせちやお雑煮、おしるこなど、なんでかついつい食べ過ぎてしまいますよね。

今日から二十四節気は「小寒(しょうかん)」を迎えます。
小寒は、寒さが極まる手前のこと。一番寒い季節は次の「大寒(だいかん)」ですが、もう十分すぎるくらい寒い季節です。

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一年でもっとも寒い時期を「寒(かん)」といいますが、この小寒から寒になるので、このことを「寒の入り」といいます。どこかで聞いたことがあるかもしれません。寒は、2月3日の節分まで続きます。寒が明けると立春、つまり春になるというわけです。

寒さにもこたえますが、お正月は暴飲暴食がつづき、胃も疲れがち。
明日、1月7日の「人日の節句(じんじつのせっく)」では、春の七草の入った七草がゆを食べ、一年の無病息災を願い疲れた胃をいたわります。

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人日の節句は、五節句のひとつです。
この五節句というのは、年中行事を行う日の中でも特に重要とされた日のことで、人日、上巳(じょうし)、端午(たんご)、七夕(しちせき)、重陽(ちょうよう)の五つの節句をいいます。

それぞれ、七草がゆ、ひな祭り、こいのぼり、七夕、菊まつりとその特徴で覚えておくといいかもしれません。

人日の節句ですが、昔々、中国では正月の1日を鶏(にわとり)の日、2日を狗(犬)の日、3日を猪(いのしし)の日、4日を羊(ひつじ)の日、5日を牛の日、6日を馬の日、7日を人の日とし、それぞれの日にはその動物を殺さずに大切にするならわしがありました。7日の人の日はというと、犯罪者に対する刑罰を行わない日とされていたのだそうです。

日本では、江戸時代に幕府の公式行事になり、七草がゆを食べて邪気を払い、無病息災を祈る、武家にとって重要なならわしになりました。

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七草がゆには春の七草であるせり、なずな、ごぎょう、はこべら(はこべ)、ほとけのざ(たびらこ)、すずな(蕪)、すずしろ(大根)を入れます。

七草それぞれに効能があり、例えばせりは鉄分や食物繊維が豊富で、貧血予防や便秘の解消に効果的だったり、ごぎょうはのどの炎症に効果があり、風邪予防になるなど、嬉しい効果が期待できます。
何だかこういうことを調べていると、無性に七草がゆが食べたくなってきますね。
新潟や東北では、七草の他にたらの芽を入れる地域もあるのだとか。

七草がゆだけでなく、菜を浸しておいた水で、爪をしめらせてから爪を切ると一年間風邪を引かずにすむといわれ、七草を入れた風呂につかると病気をしないともいわれています。七草も地域によっていろいろなならわしがあるのですね。

ところで、いざ七草がゆを作ってみようと思っても七種類も具材を使っておかゆをつくるのは少し大変な気がしますが、スーパーや八百屋さんでは、春の七草セットなども売られているので、お手軽に七草がゆを作ることができますね。ありがたいです。

2020年はまだまだはじまったばかり。
これから1年間、健康にすごせますようにとお願いしながら、優しい味わいの七草がゆを食べて寒い時期を乗り越えたいですね。

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