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# 9 大問2対策_日本地理②_日本の地形と雨温図

お世話になります。黒猫です。

前回は47都道府県と日本の領域について学習しました。今回はその内容を踏まえて、日本の地形と雨温図について解説します。

まずは例題から確認していきます。

例題【地形】

以下の2つの例題の答えと解説は最後のまとめに記載しています。

例題_日本地図_東シナ海

出典:白地図専門店を基に作成

地図中の東シナ海の海底は、大半が水深200m以内となっています。陸地周辺の深さが200mくらいまでの浅い海底地形の名称を答えなさい。

地形に関しては、前回の都道府県の問題と同様、地図中に記号がありその場所を解答する問題と、文章による穴埋め問題が出題されます。

例題【雨温図】

Kさんは地図中の埼玉県、長野県、新潟県の三つの県における県庁所在地の気温と降水量を調べ、次のⅠ~Ⅲのグラフをつくりました。Ⅰ~Ⅲのグラフと県庁所在地の組み合わせとして正しいものを、下のア~カの中から一つ選び、その記号を書きなさい。

スライド1

スライド2

日本地理の雨温図も世界地理の雨温図同様、気温と降水量が高いor低いか、多いor少ないかの組み合わせで判断します。日本地理の場合は、北海道(冷帯)を除き、温帯に属しているためどちらかといえば降水量で判断することが多いです。

造山帯

〇2つの造山帯
・造山帯
・・・地震の震源や火山が帯のように連なって分布する場所
 
環太平洋造山帯
・・・太平洋を取り巻くように連なる 
⇒アンデス山脈、ロッキー山脈、日本列島
=日本は環太平洋造山帯に属する

アルプス・ヒマラヤ造山帯
・・・ユーラシア大陸南部からインドネシア東部に連なる
⇒アルプス山脈、ヒマラヤ山脈など

〇大陸の特色
・安定大陸
・・・地震や火山の活動がほとんど起こらず、
  大地が安定している大陸
⇒風化・侵食により、地形は平たんになっている 

造山帯の問題は穴埋め形式の問題が基本で、世界の地形も含まれているため大問1での出題も多いです。

日本の山地

日本の国土の約4分の3が山地と丘陵地
日本アルプス
・・・飛驒山脈・木曽山脈・赤石山脈の総称で険しい山々が連なる
 ⇒別名:日本の屋根

フォッサマグナ
・・・日本アルプスの東側に南北に延びる溝状のくぼ地
 ⇒東日本と西日本に区分する時の境目
*東側の山地…南北に連なる  西側の山地…東西に連なる

日本アルプスとフォッサマグナは日本地理の基礎的な問題であり、出題も多いです。特に日本アルプスに関しては、日本地図を利用した飛騨山脈・木曽山脈・赤石山脈を穴埋めで答えさせる問題も出題されているので、3つの山脈の位置と名前も把握する必要があります。

海岸・海底地形

〇海岸地形
リアス海岸
・・・入り江と岬が入り組んだ海岸地形 
 Ex)三陸海岸(東北地方の太平洋側)
・岩石海岸
・・・岩場ががけのようにきりたった海岸
・砂浜海岸
・・・砂が海の波や流れによって運ばれてできた海岸
 Ex)九十九里浜(千葉県)
⇒砂丘・・・風によって運ばれた砂が積もってできた丘
 Ex)鳥取砂丘

〇海底地形
大陸棚
・・・陸地周辺の深さが200mくらいまでの浅い海底地形
 ⇒天然資源がとれる
・海溝
・・・水深が8000m以上の溝のような深い海底
 Ex)日本海溝、伊豆・小笠原海溝

海岸の問題で圧倒的に出題数が多いのはリアス海岸です。「海岸線が複雑に入り組んだ~」などの記載があればリアス海岸です。また、海底地形は大陸棚が頻出問題となります。海岸・海底地形の問題などでヒントになるのは「数値」です。以下で整理しておきます。

・排他的経済水域⇒200海里
・領海 ⇒12海里
・大陸棚⇒200m
・海溝 ⇒8000m

日本の海流と周囲の海

〇日本の海流
・暖流・・・太平洋側に黒潮、日本海側に対馬海流
・寒流・・・太平洋側に親潮、日本海側にリマン海流
  ⇒潮目・・・暖流と海流がぶつかるところ

〇周囲の海
太平洋・・・日本列島の東側にある海
日本海・・・日本列島の西側にある海
・オホーツク海・・・北海道の北東部にある海  
・東シナ海・・・南西諸島の西にある海

海流については日本地図中に海流の流れが記載されていて、それを穴埋め問題で答える場合が多いです。位置と海流の名前を一致できるようにして下さい。また、周囲の海については太平洋と日本海の位置が分からないと、日本の気候の雨温図の問題が解けなくなってしまうので暗記は必須です!また、難易度を少し上げると、北海道のオホーツク海や中国・四国地方の瀬戸内海も出題されたことがあります。

日本の川と川がつくる地形

〇日本の川の特徴
①山から海までの距離が短く、流れが急である
②流域面積が狭い

日本の川の特徴に関する問題は、日本地理の記述問題の中ではメジャーな問題で、記号(組み合わせ)の問題でも出題されているので重要です。特に①の「距離が短く、流れが急」の部分が重要です。

〇地形
・平野・・・広く平らな土地
盆地・・・内陸にあり、山に囲まれた土地

《平野・盆地で見られる地形》
扇状地
・・・川が山間部から平地に流れ出るところにできる扇形の地形
⇒特徴:果樹園に利用される

三角州
・・・川が海や湖に流れこむところにできる平らな地形
⇒特徴:稲作に利用される

台地
・・・低地より一段高い所に広がる平らな土地
⇒特徴:畑作に利用される

地形に関する問題は、まず平野と盆地の違いをおさえます。山に囲まれていれば盆地です。これは記号問題(組み合わせ)でも穴埋め問題でも出題されます。

そして平野と盆地で見られる地形は、入試問題・北辰テストでもよく見る問題で記号(組み合わせ)、穴埋め、記述と幅広く出題されています。特に①扇状地と②三角州の違いは絶対に確認してください!

日本の気候の特徴

・北海道(冷帯)を除くと、温帯の温暖湿潤気候に属している
《温帯の分類》
温暖湿潤気候
・・・四季の変化がはっきりしており、
 降水量と気温の変化が大きい気候
西岸海洋性気候
・・・偏西風と暖流の影響により、
 冬は高緯度の割に温暖
地中海性気候
・・・夏は乾燥し、冬は降水量が多い

・季節風の影響が大きい
・・・夏:南東  冬:北西
 ⇒夏の季節風
 ・・・太平洋から吹き、太平洋側に多くの雨を降らせる
 ⇒冬の季節風
 ・・・大陸から日本海を通って吹きつけ、日本海側に多くの雪を降らせる

・北海道を除いて梅雨がある
 ⇒6~7月ごろに雨の日が続く
・夏~秋に台風が襲う
 ⇒雨や風の被害をもたらす

ここでは、世界地理で学習した温帯の気候の復習と季節風の方角に関する問題が出題されます。夏の季節風は南東(南は赤道に近いため暖かい)、冬の季節風は冷たい(北は赤道から離れるため寒い)という特徴は確認してほしいです。

各地の気候

①北海道の気候
・・・冷帯で夏でも涼しく冬の寒さが厳しい
 1年を通じて降水量が少ない
⇒平均気温が低い=北海道

②日本海側の気候
・・・冬は北西から吹く季節風の影響で雪による降水が多くなる
⇒冬の降水量が多い=日本海側

③太平洋側の気候
・・・夏は南東からの季節風で降水量が多い
冬は北西の季節風の影響で乾燥した晴れの日が多い
⇒夏の降水量が多い=太平洋側

④中央高地の気候
・・・年間の降水量が少なく、夏と冬の気温差が大きい
⇒降水量が低く、気温も低い=中央高地

⑤瀬戸内の気候
・・・年間の降水量が少なく、冬でも比較的温暖
 ⇒山地に挟まれ、湿った空気が届きにくい
  対策:ため池 
⇒降水量が低く、気温が高い=瀬戸内

⑥南西諸島の気候
・・・亜熱帯で1年を通じて気温が高く、降水量も多い
⇒平均気温が高い=南西諸島

大問2の日本地理でかなりの頻度で出題されるのが、日本地理の雨温図に関する問題です。基本的には3つの雨温図が問題用紙に記載されており、指示された場所に該当する雨温図を選択する問題です。

特に④の中央高地の気候と⑤の瀬戸内の気候は山に囲まれていて降水量が低いという共通の特徴を持つため、難易度が高いです。この2つの雨温図で迷った場合は気温で判断します。気温が高ければ瀬戸内の気候、低ければ中央高地の気候です。

また、関連問題でその気候にあった住居に関する問題が記述形式で出題される場合もあるので、確認してください。

自然災害

①地震・・・地表や地中が震動する現象
 ⇒液状化現象・・・地盤が液体状になる現象
 ⇒津波・・・海面が変動して上下する現象
②台風・梅雨による集中豪雨
 ⇒土石流・・・土砂などが水と混ざり流れ出してくる現象
 ⇒高潮・・・海面が異常に上昇する現象
③火山の噴火・・・マグマなどの火山物質が地表に噴出する現象
 ⇒火砕流・・・噴火の際に、噴出したガスが火山灰などとともに高速で流れる現象
冷害・・・夏の低温により、作物の生育が悪くなる自然災害  
 発生場所:北日本
干害・・・降水量の不足により、農作物が枯れてしまう自然災害
 発生場所:西日本

〇支援
・自然災害が発生した場合…
 ⇒災害救助法に基づき支援が行われる
 Ex)自衛隊、ボランティア、ライフラインの復旧など
①自衛隊
・・・災害現場への出動などが主な任務
②ボランティア
・・・自主的に人助けなどに参加し、無償の奉仕活動をする人々
③ライフライン
・・・電気、ガス、水道、食料などの生活に必要な物を運ぶルート

〇防災対策
①気象衛星や観測網の整備
・・・気象予報、火山の噴火、地震発生の危険度予測が可能
防災マップ(ハザードマップ)
・・・災害の予測や防災情報が書かれた地図

自然災害の問題は一次災害(原因:地震など)と二次災害(結果:津波)を一致させることが重要です。また、冷害と干害、防災対策の防災マップ(ハザードマップ)は穴埋め問題での出題が多いです。

まとめ

では、全体を確認したうえで例題の解説です。
例題【地形】

例題_日本地図_東シナ海

出典:白地図専門店を基に作成

地図中の東シナ海の海底は、大半が水深200m以内となっています。陸地周辺の深さが200mくらいまでの浅い海底地形の名称を答えなさい。

A.大陸棚

キーワードは水深200m、浅い海底地形です。数値で判断することも多いので覚えていて損はありません。また、数値で判断する際は以下のように整理すると点もお伝えしました。日本地理の穴埋め問題は基礎的な問題が多いので、苦手な方は必ず復習するようにしてください。
【数値の整理】
・排他的経済水域⇒200海里
・領海 ⇒12海里
・大陸棚⇒200m
・海溝 ⇒8000m

Kさんは地図中の埼玉県、長野県、新潟県の三つの県における県庁所在地の気温と降水量を調べ、次のⅠ~Ⅲのグラフをつくりました。Ⅰ~Ⅲのグラフと県庁所在地の組み合わせとして正しいものを、下のア~カの中から一つ選び、その記号を書きなさい。

スライド1

スライド2

上記の雨温図の特徴を整理すると、以下のようになります。

Ⅰー降水量が少ない
⇒「中央高地」or「瀬戸内」
Ⅱー夏の降水量が多い
⇒「太平洋側」
Ⅲー冬の降水量が多い
⇒「日本海側」

雨温図は何度も言うように、気温と降水量を図で示したものなので、気温が高いor低いか、降水量は多いor少ないかを1つずつ判断します。

日本地理の場合、降水量に関しては季節が何よりも重要となります。夏の降水量が多ければ「太平洋側」、冬の降水量が多ければ「日本海側」となります。全体的に降水量が少なければ「中央高地」or「瀬戸内」のどちらかで、この2つは気温で判断します。今回の問題では長野県が選択肢にあり、1月の平均気温もマイナスになっているため「中央高地の気候」となります。

A. エ

瀬戸内の気候の場合、中央高地と比較して気温が高くなります。参考として2つの雨温図を比較した図を記載いたします。

Note_日本地理_雨温図

今回紹介した内容で入試・北辰テストで出題されやすいところを整理します。*【】は問題形式
・造山帯
 ⇒2つの造山帯を確認!【穴埋め】

・日本の山地
 ⇒場所と名前を確認!【記号、穴埋め】

・海岸地形と海底地形
 ⇒リアス海岸と大陸棚が重要!【記号、穴埋め】

・日本の海流と周囲の海
 ⇒海流の名称と場所を一致!【記号、穴埋め】
 ⇒海は太平洋と日本海は絶対暗記!

・日本の川の特徴と川がつくる地形
 ⇒「距離が短く流れが急」【記号、記述】
 ⇒扇状地と三角州の違いを確認!【記号、穴埋め、記述】

・日本の各地の気候
 ⇒いつの降水量が多いのかを確認【記号、記述】

・自然災害
 ⇒冷害、干害、ハザードマップが重要【穴埋め】

今回は以上となります。ありがとうございました!


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