ディズニーとコーチングのはざま#5

#5  Lv1の私を助けてくれたもの

吹きっさらしの荒野に立たされた私は社会人経験ほ何も持っていないに等しかった。
と言うより、持っていないと思っていた。
私自身はディズニーとは特別なもの、場所でここでの経験が何でもかんでも活かされると思っていなかったから。

でも私が持っているものはディズニーでの経験のみ、何とかするしかない…頼るものはSCSE、ディズニーでの行動基準だ。

役者の安全、お客さまの安全、ボランティアスタッフの安全、劇団の安全…
外部スタッフさんへ礼儀、お世話になってる劇場スタッフさんへの礼儀、諸先輩への礼儀、取引先への礼儀…
劇団が大事にしているもの、お客様が期待しているもの、役者が表現したいもの………
隙間のないスケジュールの中で常にこれらを気にして効率よく動く事………

ありがたい事にお客様からも信頼をいただき、劇場スタッフさんにも自分で言うのも何だが可愛がられ、同期を含む役者からも信用してもらえるようになった。
解らないながらも苦しくも必死で業界の何某に追いつこうとしていた。

でも私はすっかり忘れていたのだ、自分自身におけるSCSEを。

事務所で寝泊まりは週3は当たり前、深夜の銭湯通い、丸々1日のお休みが月に1回取れるか取れないか………
自分のミスではあるが、blogの写真の順番が違うと夜中にくるメールで最終の電車に乗り事務所に行くこともしばしば、新年早々にも同じように事務所に向かった時は正直どうかしてるとおもいながらも業界のことを知らない自分には我儘を聞いてあげることしか出来ないと思ってしていた、これが大きな間違いだと気がつくのはもう少し後の話。

わたしには同期に役者と演出助手がいて演出助手を筆頭に次に私、役者たちと一つづ順に小さく1番下とは7、8才離れていた。入社前から数年手伝っていたこともあってかなんとなく、先輩から“保母さん“と言うあだ名が冗談半分ついたりして気がつくと先輩から私がお小言を受け、同期に話すスタイルが出来上がっていた。

『あいさつ』
印象的だったのは最初に言われた、「あんまり挨拶していない」と言うお小言…
挨拶しずらいのでは?と思うのを我慢して毎日の終礼で伝える時の気持ちは正直、ディズニーの時と同じだな…と思っていた。

挨拶、コミュニケーションの基本はまずあいさつからとよく聞くと思いますけど、挨拶する相手選んでませんか?
私がこの時話したのは、ディズニーで今でも尊敬するトレーナーから言われたこの事。

キャストはゲストに分け隔てなく声をかけます。
おはようございます!いってらっしゃい!
こんにちは、何かお探しですか?
こんばんは、お気をつけて……

でも裏側で私がすれ違う他の部署のキャストにお疲れ様です。と言わなかった時があった、するとトレーナーはなぜしなかった?
知らない人だったから?と聞いてきた。言い淀む私、
裏で誰に挨拶するのか考えていたら、ゲストのことも無意識に選んで挨拶してることになる、そういこうところに仕事の仕方が現れると言われたのです。

え?と同時になんかグサッと…

とはいえ、もちろん街ゆく人みんなに挨拶しろと言っているわけではありません。
でも自分の働く場所、同じ建物、エリアにいる人には臆する事なく挨拶するようになりました。相手から返事が返って来なくても良いのです、そのうちに返ってくるようになりました。

それ以降どの職場でもこれは続けています。いつ何時、誰にお世話になるかはわかりません、コミュニケーション力とはこう言う事を言うのではないでしょうか。

なのでこの時も、この相手を選ばずに挨拶する話をしました。
新人の今、120%できる事は挨拶くらいじゃない?

挨拶しているだけで今までいざという時に沢山の人に助けてもらったとこう書いていて改めて思います。たかが挨拶とおもうかもしれませんが、されど挨拶、挨拶ひとつでいざという時の助けになるならとっても素敵じゃありませんか。

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