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【漫画】『ふぐマン』読み終わりました

今日は単行本単体のレビューはお休みです。
そのかわり、五回目は最近読み終わった徳弘正也先生の『ふぐマン』について少々。
なお有料記事とありますが、全て無料で読めます。コメントのみ有料です。

この作品は残念ながら打切りだったのですが、主人公虎ノ助を中心とした物語は、映画『男はつらいよ』の寅次郎ようなトラジコメディ(喜悲劇)を描きたかったのでしょう。

主人公虎ノ助はつくばにある大学の工学博士。しかし美人と話せないという悪癖から38歳になっても童貞。

そこで同僚のマッドサイエンティスト木村が虎の遺伝子を組み込んで、虎ノ助を逞しくしようと試みますが、組み込んだのはまさかの虎ふぐの遺伝子。
そんな事は知らない虎ノ助は身体も股間も逞しくなり、自分を虎だと思いこんで自信を持ちます。

そこに偶々ロシアのスパイからハニートラップを受け、女性がしびれるキスに酔いしれる姿を見て自信が確信に変わりますが、実は虎ノ助の体液にはフグの毒が混ざっており、彼女がキスでしびれたのは毒が原因。まかり間違うとその毒が身体に触れ死んでしまいます。


『ふぐマン』(徳弘正也/集英社)第1巻より引用

遺伝子を組み替える事により女性にモテるようになり自信もつきましたが、ふぐ毒でリスクがある身となった虎ノ助は、その事で女性に気持ちを伝えられなかったり、毒によって離れていく女性もおり、女性に頼られても恋愛は巧く行きません。

そんな悲しい話です。

この前作が独裁者の狂気と永遠の命を描いた『バンパイア』であり、前々作が『狂四郎2030』という、シリアスで殺伐とした路線だったのを、この『ふぐマン』により原点回帰し、軽妙なギャグマンガを描いてくれた事はとても嬉しかったですし、実際ギャグがとても面白いです。

もし徳弘先生に余裕があれば、続きを描いて欲しい作品のひとつです。
いつかそんな日がくればいいなあ、と思います。

皆さんにはそんな漫画はありますか?

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