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怪しい募金と怪しいお菓子売り

こんにちは。
京都の行政書士こす郎です。

3年ぐらい前に、別のアカウントで同じような投稿をしましたが、改めてアカウントを作りなおして投稿することにしました。

●コロナ前に全国にはびこっていた怪しい募金

コロナが流行る前、全国の駅前や街頭で東南アジア系の外国人が募金活動をしていたことを皆さんは知っていますか?京都だと、京都タワーの前や四条河原町あたりにいました。

たいていは若い女の子が、カードを見せながら「アジアの恵まれない子どもたちに募金をお願いシマス」と言って、近寄ってきたアレです。

あの募金活動については、「詐欺ではないか」という疑惑が流れていました。テレビ番組にも取り上げられ、取材の結果、女の子が募金でジュースを買っていたり、団体に問い合わせてもまともに答えてもらえなかったりと、団体の不透明さが明らかになっていました。

●あの募金はフィリピンの新宗教が絡んでいた!

私は独自にリサーチを行いました。団体は「Children’s Joy Foundation(以下CJF) Japan」と名乗っていました。当時、団体はHPを持っており、そのHPによると、その団体はフィリピンの新宗教である「Kingdom of Jesus Christ(イエス・キリストの王国 以下、教団)」の教祖であるアポロ・キボロイ(以下、キボロイ)という人物が立ち上げさせたとはっきり記載されていました。

CJFを調べてみると、一般社団法人として東京都八王子市内のマンションに主たる事務所を構え、O氏という日本人が代表を勤めていました。

なお、募金は道路使用許可を得ているとして、見せてきましたが(募金活動が正しいという証明にはならないが)、そこには八王子の事務所の住所とO氏の名前がありました。

なおO氏を調べてみると、O氏にはフィリピン人の妻がおり、八王子市内でレストランを経営する一方、教団の支部で子ども食堂を行っていました。なお、O氏は3年前に死亡したそうです。

●明るみに出る教祖の卑劣な犯罪行為

さらに、詳しく調べてみると、どうもこの教団はかなりタチが悪いようです。新宗教にありがちなマインドコントロールや高額のお布施などはもちろんのこと、事件も少なからず起こしています。

2020 年 1 月 29 日、米国の連邦捜査局(FBI) は、元信者からの通報を受けて、カリフォルニアとハワイにある教団 の支部を捜索しています。教団は過去 20 年間に 82 件の偽装結婚を行って、信者を米国内に不法に留まらせてきました。犠牲者たちは、教会の慈善団体であるCJFの募金コンサートにゲストとして招待されたそうです。

そして、彼らが到着すると、路上で寄付を募ったり、お菓子を売ったりすることを強制され、教会のための資金を集めさせられたそうで、報酬はなく、厳しいノルマがあったようです。被害者の1 人によると、うまく仕事ができなかった場合、若い信者は身体的または精神的な虐待を受けたそうです(https://www.christianitytoday.com/news/2020/january/fbi-kingdom-jesus-christ-childrens-joy-foundation-philippin.html)。

また、米国司法省は2021 年 11 月 11 日に性的人身売買の罪でキボロイと他の信者が起訴されました。起訴状によると、キボロイは少女や若い女性に性行為を強要し、人身売買活動を行ったとのことです。被害者の中には、12 歳の子供も含まれていました。キボロイはカリフォルニアのCJFを通じて、「永遠の天罰」として彼らを脅したと言われています。

米国司法省によると、未成年の少女たちはいわゆる「夜勤」を強いられ、検察官は、キボロイが不正に得た米国の資産も回収する方向で進め、彼が贅沢なライフスタイルの支払いに教会の寄付を使用したと主張しています(https://news.abs-cbn.com/news/11/19/21/us-announces-sex-trafficking-charges-vs-apollo-quiboloy)。

なお、現在、キボロイの身柄は米国に引き渡されていません。今後もその見通しはないと思われます。というのも、キボロイはフィリピンの前大統領であるドゥテルテの宗教アドバイザーを務め、支援をしていました。2022年のフィリピン大統領選ではマルコスを支持し、マルコスが当選。副大統領となったのはドゥテルテの娘です。ということは、今後ともキボロイの身柄が引き渡される見通しはないでしょう。

●手法は「募金」から「お菓子売り」へ

こうしたことから、CJFは教団のシノギとして使われている可能性は高いです。CJFのページなどを見てみると確かに、施設などを作ったり、お菓子などを寄付している写真はあるので、多少は慈善事業もしている可能性はあるかもしれません。

新型コロナウィルスが流行してから、募金活動は見なくなりました。ところが、間もなくして、各地の駅前で怪しい外国人のお菓子売りがみられるようになりました。それによると、「留学生です。コロナウィルスで仕事が見つかりません。見つからない間、学費と生活のためにおやつを販売しています」といったカードを見せて、500円からお菓子を打っていたそうです。

売っていたお菓子はクッキーだったり、フィリピンのマンチキンというお菓子だったり、と出来合いのお菓子に少し手を加えたものだそうです。で、販売許可はあるのかと聞いても許可は取っていないとのことです。

私本業が行政書士なので、少し解説をすると、まず勝手にお菓子を売る行為ですが、保健所の許可なく食品を販売する行為は食品衛生法違反、警察署の許可(道路使用許可)なく路上で勝手に商売をするのは道路交通法違反、また、仮に彼女たちが留学生だとすると、この行為は資格外活動ということになり、資格外活動許可がなければ在留資格が取り消されたりする可能性があります。

活動の手法や売っているものからすると、やはり教団のシノギの可能性が強いです。

●これをご覧になった皆さんへ伝えたいこと

・まずは警察署に通報を!
CJFの募金活動やお菓子売りについて、教団のシノギだという可能性が強いことは先ほど紹介した米国の対応から見ても明らかです。もし、これをご覧になった方で、お菓子売りを見たら警察に通報してください。以前、募金活動の時はなかなか警察も厳しく取り締まってくれませんでしたが、今回は食品衛生法違反ということは明らかなので多少は厳しく取り締まってくれるかもしれません。

・「おかしい」と思っている信者の人たちへ 
これをご覧になった方の中には信者の人、信者の知り合いの人もいるかもしれません。もしかしたら、無理やりに連れてこられた信者の人もいるかもしれません。教団やCJFを「おかしい」と感じたら、まず相談してください。もし、日本国内で暴行や脅迫を受けているのであれば、それは犯罪です。

警察への被害届・告訴についても、在留資格(ビザ)についても行政書士はサポートができます。

いつでも、相談してください。



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